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夢を紡ぐ徒然日記

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カテゴリ:趣味・読書
孤将


 孤将とは、李舜臣のことである。
 豊臣秀吉の韓国出兵としてしられる文禄の役・慶長の役(韓国では壬申倭乱)に於いて、朝鮮水軍を率いて日本水軍を悉く撃破、結果的に秀吉の野望を挫いた韓国の英雄である。
 そんな彼が何故「孤将」と呼ばれなければならなかったのか・・・。それは、彼が生粋の軍人であったからに他ならない。

 当時の韓国は、国家・社会が疲弊のき極みにあった。政治は官僚の私利私欲の道具と成り下がり、国民の利益よりも個人の利益が優先された。そういう時代に秀吉の朝鮮出兵がなされたのである。
 文禄の役において、日本陸軍は朝鮮半島を席捲するが、水軍は敗退を重ねる。この韓国水軍の活躍は、李舜臣の戦略・戦術に因る処が大きかった。軍人が戦争に於いて華々しい武勲を挙げれば、本人の意思とは関係なく名声と権力が増してく。
 誰かの権力が増すということは、別の誰かの権益を侵すということに繋がるのだ。当然、李舜臣の名声を快く思わない者は、彼の失脚を狙って政治的暗躍を繰り広げる。そうした事にはほとんど免疫がない李舜臣は、文禄の役が終わった直後、政治的陰謀に巻き込まれ逮捕されてしまうのだった。

 ほどなく慶長の役が始まらなければ、李舜臣は処刑されていたのではなかろうか・・・。
 慶長の役初戦で李舜臣なき朝鮮水軍は日本水軍に完膚なきまでに叩きのめされてしまう。ほとんど水軍としての軍事力がない状況で統帥官に任命された李舜臣。自分達が無実の罪を着せて逮捕しておきながら、水軍の存亡が危うくなるや都合よく統帥官へ戻して、文禄の役並の活躍を強制する。この状況を考えただけでも「孤将」と呼ばれる所以が解ろうというものだ。

 これに更に明国の思惑が絡んでくる。
 当時の明と朝鮮の関係は、君主国と属国である。従って、明とすれば属国である朝鮮が外敵に侵略されているのであるから、これを救出する義務があった。明国も当然、日本の出兵に合わせて明軍を派遣した。
 しかし、明国軍の目的は朝鮮の救出ではなく、この戦役を通じてどれだけ明国に利益をもたらすか・・・、つまり、朝鮮がどうなろうとどうでもいいのである。

 だからこそ、朝鮮にとって不利益であるにも拘わらず文禄の役では勝手に日本と講和を結んだし、両戦役の期間中、明国軍が戦ったことはほとんどない。大抵は戦線の後方で戦いの帰趨を見守り、戦果として君主に奉献する首だけを集める体たらくだったりする。その癖、自らを「天子の軍」と僭称し、天子の軍は簡単には動かないと宣言して憚らない。

 極めつけは、秀吉の死によって、朝鮮からの撤退を図る日本軍を海上封鎖した際、日本軍の小西行長と明国水軍が単独交渉を行って、日本軍が捕虜として過酷な使役に使っている朝鮮人の首を賄賂に封鎖突破を黙認し、これが原因で日本水軍の逆襲を許し、李舜臣はついに凶弾に倒れることになるのだった・・・。

 「孤将」・・・。読み終えた前後でこれほど響きに哀しみが込められた言葉も珍しい・・・。





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最終更新日  2010年04月10日 18時04分15秒
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