マダム、ムッシュー、マドモワゼル
コメントのお返事を書こうとして、普段は気にして見たことのないアクセスカウンターを見て、引きました。66666・・・。ダミアンの何倍の数字でしょう?あ、ダミアンって「オーメン」という映画に出てくる悪魔の申し子なんですけどね。野良犬のようなジャッカルがお父様という変わった経歴の持主でした。あの時は結構流行ったんですよね、この手の映画。「サスペリア」とか「エクソシスト」とか。「エクソシスト」はビギニングというやつまで追っていましたが、最新のエミリー・ローズはさすがに見るのをやめました。ちょっと古いですよね・・・。ま、日本人には6は関係ないですから、例え100個並んでも怖がる必要もないですね。今日はずっと気になっていることを。欧米社会ではファーストネームで呼び合うことが多いですが、日本では幼稚園を卒業してからは名字が主。日本語で人を呼ぶときにつかう「~さん」って、ほんとに便利だなと思います。丁寧語、尊敬語、謙譲語とシチュエーションによって細かく言葉の使い方が変わる日本語にあって、この「~さん」は性別、年齢、その他すべての枠を取り払って使える珍しい言葉。名字であろうが、下の名前であろうが普通に使えますし。この言葉を使い慣れてきた日本人に取って、欧米の人を何の敬称もなしに「呼び捨て」にするっていうのにちょっと抵抗がある人がいるというのも理解できます。でもファーストネームにムッシューやマダムやマドモアゼルを付けるのって、実際のところどうなんでしょう?例えばファーストネームがリチャールという人を、ムッシュー・リシャールと呼んだり、フランソワーズという名前の人を、マドモワゼル・フランソワーズと呼んでみたりすることなんですが。この話題を出すのは、実は身近な日本人でファーストネームにこうやって敬称をつける人がいるからなのです。これがもう気になって気になって。もう在フランス歴がかなり長い方だから、私よりももちろんこちらの生活のことをよく知っておられるはずなのですが、どうもこれだけは疑問に思ってしまうのです。これはありなのか?と。フランス人でこういう呼び方してる人をいまだかつて聞いたことがないんですよね・・・。ただ、唯一その例を見つけました。それは例の「マリー・アントワネット」の本の中で。ルイ16世の妹さん。ベルばらにも少しだけ登場しますが、彼女はマリー・アントワネットと一緒に投獄されます。その後、マリー・アントワネットは一人だけコンシェルジュリーに移されるのですが、それまでは一緒。この彼女、エリザベスという名前なのですが、Madame Elisabethとして登場します。常にファーストネームに「マダム」付き。さらにアントワネットの娘である王女なんて、文中ではMadameという呼び方しかされていませんでした。まあ王族の人だから名字もないのだろうし、だからといって呼び捨てというわけにもね・・・。辞書で調べるとMadameは、《古》 《上流社会の婦人の敬称》 奥方; 《王の弟の妃の敬称》 奥方, 妃殿下という意味だそうです。上記エリザベスは王の弟の妃ではなくて、王の実妹、アントワネットの娘は確かベルばらでは内親王殿下だったと思うのですが。要は、王の弟の妃に限らず王族の女性には年齢に関わらずMadameという呼び方なのかもですね。・・・と辞書には昔の呼び方として上記が載っていたわけですが、現代で普通に敬称として使われる「マダム」にはちゃんと、《姓の前につけて》という注意書きがありました。やっぱりファーストネームにマダムはおかしいのかも。しかし、ついでにムッシューの方も調べてみました。すると・・・。《冠詞なしで》 (a) _氏, _さん〔様〕 《男性に対する敬称; 名・称号・職名の前, または呼びかけとして用いる》とあり、姓とは限定せず名としかありません。ということは、ムッシュー・リシャールはOKなんでしょうか?例文もありました。《姓でなく名前につけて》 Bonsoir, Monsieur Jean. 《話》 今晩は, ジャン(様)けれど、《多くは召使いなどが主人の子供に対して》なんだそうです・・・。あとマダムと同じように王弟殿下の敬称としても使われるとか。最後にマドモワゼルは、《姓の前につけて》の注意書きがありました。王族に関しては《王の弟の長女の敬称》 なのだそう。やっぱり雰囲気的にファーストネームに敬称はつけないみたいですね・・・。これはフランス語に限らず欧米の他の言語でも似たような感じじゃないかと思うんですが、実際どうなんでしょう?以上、すべてクラウン仏和辞典を参照させていただきました。クリックよろしくお願いします!→ も(さぼり気味ながら)開館中!