いつかはみんな
我が母サザエがスカイプをかけてきて、彼女の住む団地で起こった自殺未遂事件について話し出した。自殺をはかった女性は、そこの住人ではない。サザエのお友達夫婦が10階辺りのエレベーターホールでその女性とすれ違い、「ここにはまだ上の階がありますか?」と聞かれ、変なことを聞くなぁと、ちょっと気になったと言う。お友達夫婦が1階に降り、エレベーターから出ると、向かいの棟の上の方から「やめろー!」と何度も大きな声でこっちの棟の上の方に向かって叫ぶ人がいる。びっくりして見上げると、そこにはさっきすれ違った「まだ上の階があるか」と聞いた女性が、飛び降りようとしているところだった。慌てて戻り、その女性をつかまえて止めたんだそうだ。そして、役員のようなことをしている我が父のところに連絡が来た。サザエは、お茶を一杯淹れ、その彼女に飲ませたそうだ。そして一言、「こんなことして痛い思いせんでも、ほっといたら何もせんでもそのうち死ぬんやが~。」と言っておいたそうだ。もぅ・・・でも確かにね。この女性は、飛び降りた時の痛みの方がマシなくらい、辛い日々を送っていたのかもしれない。でもサザエの一言で、「ほんまやな、アホらし。」と思ってくれたら、少しでも気が楽になってくれたら、いいなと思う。