やっぱり読書 おいのこぶみ

2020/03/17(火)13:42

『数の風景』松本清張

読書メモ(479)

清張さんの全作品完読したいわたしの未読作品であるし、二度と読まないであろうから、我慢して読み通したけれども、はっきり言って、初期の作品のように勢いはないし、ダラダラしていて面白みに欠ける。こんなに苦労して読んだ清張作品は初めて。 でも、この作品が書かれた1987年、清張さんは78歳ちょうど今のわたしと同年齢、作家もくたびれてくるお歳ごろである(笑) また、解説にあるのだが、ご自身はキリっと引き締まった中編短編がお得意と書いていらっしゃる。実にこの小説は中編を繋げて長編にしてしまったような作品といっていい。 この作品の時代背景、80年代日本は庶民が国内だけではなく、自由に外国にも旅行に行けるようになり、このころの清張さん、外国旅行も盛んになさっていらしたとのこと。しかもグルメブームのはしりだったことも懐かしく思いだされる。 そのためか、隠れ家的温泉や旅館の山菜づくし献立を丁寧に描いたり、謎のスタイリッシュ美女や、何で食べているのかわからないのに、潤沢にお金を持っていて自由行動ができる悪党らしき人物の登場。う~ん、エンタメを書こうとしたのか(笑)まあ、かわいい、っちゃ可愛いかな(笑) 精彩はないけど、そこここに清張節はあったれど。 ​ ​

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