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その形状のみならず、どこにでも不意に出現して人さまの肝を冷やすという点において、自動車とゴキブリはまことによく似ている。
店へ通うのにマウンテン・バイクを使っていた時期がある。だが続かなかった。危険だったのだ。歩道を利用しているのに、4輪車が急ブレーキを軋ませる。駐車場から歩道を横切ろうとしたらしいが、歩道にはしばしば人がいるものだとは考えもしなかったようだ(笑)。 国道と交わる交差点など、人間(自転車)は横断するなといわぬばかりの造りになっている。 現代ニッポンは自動車産業を中心に動いているのだな。 大店法を廃止して大型店を続々とオープンさせる。ご近所の商店はつぶれるが、車は売れる。自由競争をうたいながら、経営に失敗した大手スーパーを税金で救済する。おかげで車は売れ続ける。 高速道路を国費でつくって、車が売れる。赤字を理由にその高速道を民営化して料金を下げると、やはり車が売れる。円が高くなった、すかさず政府は30兆円などという税金をドル買いに注ぎこむ。そうして自動車産業を保護するのである。 こんな例は枚挙にいとまがない。風が吹くと儲かるのは、いまや桶屋じゃないのだ。 だからというわけではないが、オートバイに乗る。いま乗っているのはシェルパというオフロードバイク。これが6代目のバイクになる。 40歳の夏に会社を辞めて2輪免許を取得し、中古のホンダブロスを買った。その足で四国の高知へ旅立ったのは、そこで有機農業に従事するためである。…この急展開はどうです。 けっきょく百姓にはならなかった。理由はいずれ書くこともあるだろう。ひとつだけ書いておくと、高知での真夏の野良仕事は、とても暑い(笑)。 ある年の秋に、ブロスで駆けぬけた信州草津白根の光景を、わたしは生涯忘れないだろう。 ニッポンのテレビに2輪車のCMは流れない。その理由は表向き、暴走族対策のためということになっている。だがご承知のとおり、CMを自主規制していても、改造2輪車で団体行動をとることを好む青少年たちは健在だ。 2輪車の魅力はその速さやスタイルばかりではない。4輪車に比較して環境への負担が少ないこと、渋滞解消、経済性、等々、「暴走」をあおらぬ地味な売り込み(笑)の方法など素人でも考えつく。世界の電通、博報堂においておや、である。 だいいちだな、4輪車で「暴走」する青少年だって少なくないだろう。それは気にしないことになっているのかね。 業務用は別として、ニッポンのような狭い土地には4輪車よりも2輪の方が適していることは明白である。なのにCMが流されないのは、じつのところ、2輪車が普及すると困る勢力の陰謀ではないのか。わたしは、ひそかにというより、おおっぴらにそう疑っている。 もとより、自動車を廃してバイクにしよう、などと言うのではない。自動車はそれが必要な人には便利なことこの上ない道具である。いつかバイクに乗れなくなる日がきたら(それはくるだろう)、フェラーリの赤だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2004.11.24 19:22:53
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