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カテゴリ:TVドラマ(2005年秋季)
残酷なほどに、質が高い。そう思った回でした。
今回のお話。 水野は、亜也はもう進学や就職は無理との診断を下す。これからは、食事にも注意が必要で、歩行も手すりがなければ困難である。在宅リハビリを勧められる。 亜也は無事に養護学校を卒業する。 「思い描いていた卒業とは全く違う卒業だった。」 「人の役に立つ仕事がしたいと思っていた。18歳。進学や就職の道にみんなは進んでいく。しかし、私は、これで居場所なくなっちゃった。」 亜也は久しぶりに家に戻る。亜湖たちは一階の奥の部屋を亜也の部屋にしていた。 「みんなの気持ちが素直に心にしみる。でもねお母さん。すごしやすい場所がほしいわけじゃないの、これからどう生きていくかを考えていたの。今の私は、ただみんなの世話になるばかり。足がふらつく。言葉がうまく話せない。それでも、自分の身体だから、自分であきらめちゃいけないんだ。18歳。私にだって、私の未来があるはず」 遙斗、まり、早紀、そして生物部を招いて、パーティーを開いた。友達がそれぞれの道に進んでいることに亜也は複雑そう。 遙斗は常南大学医学部に合格していた。亜也にキャンパスを案内する。 1組のカップルを見つける亜也。遙斗に問いかける。 「なんで人は歩いているんだろう?人が人らしくものを考えられるのは、歩いているときなのかな」 「そうかな」 「だって、恋人達は歩きながら将来について語り合うでしょ?」 リハビリを受けている亜也。それを見ている遙斗。 水野が来る。 「君が医学部に来るとはね」 「人の役に立つ仕事がしたくて、そんなのうそ臭いと思ってたんですけど、あいつ見てたら」 「そうか。僕もね、彼女を見ていると背筋がぴんと張る。うつむいている時間なんてないんだと。」 リハビリ終了後、潮香が迎えにくる。 亜也が「私、入院したい」 「どうして」と水野。 「私リハビリがしたい。週2回だけじゃなく、もっと歩く練習がしたい。私は、自分の力で歩くことを諦めたくない」 亜也は入院することになった。 潮香の勤め先に、養護学校に出入りしていた出版社の高野が来る。亜也の担任だった藤村との結婚を知らせる。 「まあ、それだけのために」 「あ、いえ、私は、難病の患者さんのための会報を病院などに、置いてもらうために回っていまして、それで亜也さんの詩を載せていただきたいと思うんですけど」 「そうですか、亜也も喜ぶと思います」 潮香は病院で麻生父に会う。 「人の役に立ちたいといっていたのに、どんどん人の助けが必要になってきて、ふさぎがちになってたんですけど、遙斗君と会っているときは本当に楽しそうで、ありがとうございます」 「いえ、こちらこそ。遙斗もようやく自分の道を見つけて、生き生きとするようになっていて、こちらも感謝しています。ですが、あいつはまだ、子供です。自分の限界も挫折も知らない子供です。だから、お嬢さんと係わることには反対なんです。これから、遙斗はお嬢さんに背を向けてしまうことになるかもしれない。そうしたら、一番傷つくのはお嬢さんなのではないかと思うんです。今の関係を続けるのは、2人にとって良いことだとはどうしても思えないんです」 遙斗が病院のお見舞いにくる。鉢植えを渡す。「見舞いに鉢植え?」「ああ、きれいだったから」 「花ってすごいよね。雨が降っても、踏みつけられても、まっすぐにのびていって、花をさかせて」 潮香が入ってくる。結婚式の招待状を見せる。 「まどか先生の結婚式?」 「そう、頑張ってみんなに元気な姿見せようね」 うなずく亜也。 潮香は遙斗に「麻生君も、良かったら一緒にって」 「え、おれも」 「ああ、忙しいなら・・・」 「いえ、」亜也の方を見、「タキシードでも着ていこうかな」 病院の屋上から遙斗を曇った表情で見つめる亜也。 病室のベットから、亜也が立ち上がる。しかし、転んでしまい、動けなくなる。 遙斗が見舞いにやってくる。廊下で身動きが取れない亜也を見て近づこうとする。 「こないで!こないで!」 亜也は失禁していた。 潮香と亜湖が来る。亜也を見て、遙斗に「出て行ってくれる?」 「え、でも」「いいから」潮香のいわんとしていることに気づき、出て行く。 「なんで、なんで」と泣き叫ぶ亜也。 潮香が抱きしめる。 「大丈夫、大丈夫だから。これからはさ、時間を決めてトイレに行けばいいじゃない」 深夜、眠れない亜也。病室を出て、公衆電話のもとへ。 テレホンカードを入れて、ボタンを押す。しかし、時間がかかりすぎ、カードが出てきてしまう。 呆然となるなか、亜也が心配になって病院に来た潮香が来る。 「どうしたの。風邪引くでしょ。戻ろう」 「お母さん、眠れなくて。目を閉じるのが怖くって。お母さんが恋しくなったの。家に電話かけたの。何度も押したの。お母さんの声が聞きたかったから。でも、うまく押せなくって」泣く亜也。潮香は抱きしめる。 「助けて、お母さん。なくなっちゃうよ。私にできること1つも、なくなっちゃうよ」 「いこう」 車椅子をひき、病室に急いでいく潮香。 ノートを取り出す。 「確かに、亜也は病気になって1つ1つできなくなっていったよね。歩くことも、話すのも難しい。お友達のように大学に行くことも就職も。でも、できることがなくなっちゃうって本当に思っているの?これを見て。」 ノートを見せる潮香。 「これもこれもこれも、亜也が毎日毎日、綴った日記。全部、亜也が一生懸命書いた言葉。同級生にも健康な人にもできなったこと、亜矢はずっとやってきたじゃない。亜也には、亜也には書くことがあるじゃない。そうでしょ」 涙を流す亜也。抱きしめる潮香。 病室、一人になった亜也。 「私には書くことがある」 車椅子を見る。便箋を取り出す。何かを書き始める。 高野とまどかの結婚式、亜也と潮香と瑞生が出席している。しかし、遙斗はいない。亜也が呼ばなかったのだ。「いいのか」と瑞生。 「きっと、授業とかあるから。いいの」 「そうか」 「よくねえ」と遙斗が来る。「置いてけぼりにするな」 「本当にタキシードきてきたんだ」 「兄貴の借りたんだよ」 「似合ってないよ」 すると、ブーケトスが始まる。まどかが投げたブーケは亜也の元にくる。 結婚式が終わり、瑞生と潮香は車を取りに。亜也と遙斗を2人きりにする計らいでもあった 「素敵だったなあ。花がいっぱいで」と亜也。 「そうだな」 亜矢は水色の封筒を取り出す。 「麻生君、これ」 「何?」 「・・・」 「ん」 「ラブレター」 「あ、そう」教会の鐘がなる。亜也の表情が曇っている。 病院で、急に咳き込む亜也。水野が処置を行う。 帰り道、遙斗が封筒を開く 「麻生君へ、面と向かっては素直に言えないから、手紙を書きます。 いつもそばにいてくれて、ありがとう。はげましてくれてありがとう。 自分の夢を見つけて、いきいきと輝いている麻生君を見ると、私もうれしくなります。」 亜也の目が覚める。 「お母さん、先生、私・・・」 「軽い肺炎を起していたんだ。でも今では呼吸も落ちついているし。」 手紙を読んでいる遙斗。 「いろんなことを学んで、いろんな人と出会って、あなたはこれからもずっとずっと生きていく。あなたの未来は無限に広がっている。でも、私は違います。私に残された未来は、なんとかして生きる、それだけ、たったそのことだけ。この差はどうしようもありません。毎日自分と戦っています。悩んで、苦しんで、この気持ちを押さえ込むのに精一杯です。正直に言います。麻生君といると、辛いです。あんなこともしたい。こんなこともしたい。もしも健康だったらできるのにと、思ってしまうんです。麻生君といるとかなわない大きな夢をえがいてしまうんです。もちろん、麻生君のせいじゃありません。でも、うらやましくて、なさけなくて、どうしても、今の自分がみじめになってしまうんです。そんなんじゃ、前をむいて生きていけないから。いろいろしてくれて、ありがとう。こんな私のこと好きって言ってくれて、ありがとう。何も返せないでごめんなさい。もう、会えません」 涙が遙斗のほほを伝う。 封筒から、水族館のストラップが出てきた。 亜也は、ラブレターのことを潮香たちに話した。 「もう、やめよう。諦めるのは?」 「お母さん、先生、私、結婚できる?」 何もいえなくなる。 「そうだよね。私、いつか、いつかが来たら、お花に囲まれて永遠に眠りたい。」 瑞生はいたたまれなくなり、病室を飛び出してしまう。 遙斗が家に帰る。父が「どうした。」と聞いてくる。 「あなたの言っていることは、いつも正しいです」 大泣きする亜也。潮香はやさしくなだめている。水野も亜也を直視できない。 「過去を思い出すと、涙が出てきて困る」 「現実があまりにも残酷で きびしすぎて 夢さえ与えてくれない 将来を想像すると また別の涙が流れてくる」 なんか、何を書いたらいいのかわかりません。 ただ、何が思いやりなのかなと考えてしまいました。亜也にとっては、遙斗も辛い存在になってしまっていて。 あらすじを書きながら泣いてしまいましたよ。ラブレターの「正直に言います。麻生君といると辛いです」のところで。 こんな辛い展開だったのに、思わずニヤッとしてしまったのが、テレホンカードの残高が105度だったこと。。。どこから見つけてきたのか、スタッフ。。。 すいません、ムードぶち壊しで。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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