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2008.06.10
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テーマ:ニュース(100070)

キャッシング
秋葉原で起きた通り魔殺傷事件は、ニュース速報で知った。
その後、あまりの被害者の多さと、凄惨な現場映像に愕然とした。

捕まった男は何とも気の弱そうな、大事件を起こすなど微塵も感じさせない風体だったが、鬼畜以下の人間だったようだ。


通り魔事件の犯人に共通するのが、嫌世感、怨嗟。
自身の不幸や納得いかないことを、全て世の中や他人のせいにする。
そして、ターゲットはたまたまそこにいた、犯人とは縁のない人達だ。

何故、周囲のせいにするのか。

その原因の一つに、むやみに高いプライドがあるだろう。
自分は一所懸命やっている、悪くない。
それが理解されないのは努力不足ではなく、周囲が自分を認めようとしないから。
そして、「周囲が悪である」という自己催眠をかけた挙句、牙を剥く。

他人に危害を加えた後の決まり文句は、「殺してくれ」「死にたい」。

だったら、一人でひっそりと死ねばいいのに。
鬱憤晴らしが済んだものの怖くなって、責任も取れそうにないから殺して欲しい?
ふざけるな。

秋葉原では17人が襲われ、うち7人もの方々がお亡くなりになられた。
全身打撲で3人、失血で4人。
こんなつまらない人間に殺される理由など、一片もない。


男をその凶行に駆り立てたものは、会社での不満と、高校時代の挫折と見られている。
リストラに遭うのではないかという不安と、作業服がなくなっていたことが、自分に対する嫌がらせだと誤解した。
しかし、会社は犯人のいた部門でのリストラは考えていなかったらしいし、作業服も誰が隠したものでもないらしい。
被害妄想も甚だしい。
自分に自信がないから疑心暗鬼になるのだ。

子供の頃は親の監視下で勉強をし、小中学生の時は優等生。
ところが、県内有数の高校へ進学した途端、自分が井の中の蛙だと知る。
小さな地域の小中学校と県内外から生徒の集まる高校では、「優秀」のレベルが違うのだ。
成績は下から数えた方が早くなり、親の教育熱は弟へ向き、挫折を味わう。

ここで、泣く泣く己の限界やレベルを知るのが普通だ。
ところが、こういうタイプは敗北した原因を他へ転嫁する。
親への恨みから始まって、最後は世の中のせい。

彼女がおらず、そんな自分を「気持ち悪い、ブサイク」と卑下する。
携帯ブログには、そんなネガティブ文言が満載だ。
その割りに、電車内で女性が自分の隣よりも別に空いた席に座ったことに対し、怒りを覚えている。
何と稚拙な精神構造だろうか。
彼女ができないことを世間のせいにされては、たまったものじゃない。

そして、犯行予告を書き込み、「それを読んだ誰かに止めてほしかった」という供述も。

誰も止めなかったから凶行に及んだ?
これまでも人のせいか。


理不尽なこと、上手くいかないこと、生きてりゃ幾らでもそんなことはある。
それを他人のせいにするほど、楽なことはない。

どうしても許せないことがあるなら、その相手に怒りの矛先を向けろ。
殺せというわけではない。
胸の中に渦巻くものを言葉としてぶちまければいい。
時には暴力沙汰になることもあろうが、それも仕方のないことだ。
そして、会社なら退職、もしくは解雇を覚悟で抗えばいいのだ。
それができなくて小さくなっているくせに、面識のない人が相手となると途端に凶暴になる。
匿名のネットで饒舌になったり攻撃的になる人種は、総じてこうだ。
他人の命を憂さ晴らしの道具に使うな。

被害に遭われた方々には、本当にお気の毒と言うしかない。
こんな愚人と、たまたま時と場所を同じくしてしまったばかりに大怪我をさせられたり、命を奪われてしまった。
男には極刑が科せられるだろうが、ご遺族はそれでも満足できないだろう。


最後になったが、私は警察を評価したい。
犯人を取り押さえた路地の先は、駅前だったという。
あそこで取り押さえなければ、更なる大惨事になっていた可能性は極めて高い。
警棒で対峙し、最後は銃口を向けて威嚇し、観念させた。
世間は警察に対して、もっと賛辞を送るべきだと思う。





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Last updated  2008.06.19 09:40:42
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