人生の驚きの場面って
のちのち、ランクつけて思い出すものだと思うけど、
夜中になにかの気配を感じて起きたら
家の中に救急救命士が三人いた、
っていう場面はその上位に来るものだと思われる。
息子2が入院したときはそんなふうだった。
まったくもって動転した。
救急車には乗せられたものの
時間帯のせいか、なかなか搬送先の病院が決まらず
1時間以上、動き出せずにいた。
それがまあ、いろいろあったけれども
先日ようやく退院できて、ほっとしていたら
また、今晩、救急車が我が家にきた。
今回やってきた救急救命士三人のうちふたりは
以前来た人だった。
わたしは記憶になかったのだが
班長らしきひとから開口一番
「このあいだもうかがいましたよね」
と言われてしまった。
応急の処置をして救急車に乗せようとするとき
ふっくらしたわかいほうのひとに
「息子さん、あれからどうでしたか?」
と聞かれた。
病名を告げ、ようやく退院できたと答えると
「それはよかったですね」
と笑顔になった。
わたしが乗り込もうとすると今度は班長が
「あの時は受け入れ先が見つからなくてねえ。
でも、よくなってよかったです」
と言った。
くわしいことはここにはかけないのだが
幸い今回は搬送先もすぐに見つかった。
搬送先の病院には先客がいて
そちらの年配の救命士さんが
こちらの救命士さんと言葉を交わしていた。
「忙しいかい?」
「はい、忙しくなってきました」
「こっちもだよ。でずっぱりでメシ食うひまもねえ」
そんな会話でふわっと空気が和んだ。
病院での処置も簡単で
おおごとにならずにすんだのだが
救命士さんはその途中で帰って行った。
救命士さんが関わるのは現場と病院までで
搬送が終わるともう関係がなくなってしまう。
「おだいじに」という言葉を残して
救急車は去って行く。
その結果がどうなったかは、
彼らにはわからない。
動転している家族は
彼らにきちんとお礼の言葉も告げられない。
それが今回は
こんなふうなやっぱり不幸な巡り会わせではあったが
その後の報告とそのおりのお礼が言えた。
それにしても
救急救命士さんと顔見知りになるって・・・
とため息が出たりもする。
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.10.22 01:33:56
コメント(0)
|
コメントを書く