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文の文

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sarisari2060

sarisari2060

2008.05.28
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カテゴリ:エッセイ
文袋を文袋と命名して作り始めてずいぶんたつ。
この日記には2007年3月に初お目見えしている。

文袋の子分の小文袋を含めて
この1年余りの間にどれだけ作ったことだろう。
双方合わせたら200個近くになるかもしれない。

以前パッチワークをしていたので山ほどの布があり、
それを何とか、ちゃっちゃと手早く片づけてしまおう、
というのか最初のこころ積りだった。

だから慣れぬミシンで縫った。

ミシンはダダダと大きな音を立てて進み
縫い目は次第に曲がっていった。
オイオイ!しっかりしてえな
と文句を垂れると今度は糸が絡まった。

このミシン、蛇の目エクセルは
何しろ30年前の嫁入り道具だから
我が家でもっとも古い電化製品だから
古き良き昭和の機械であって
どこか人間じみていて、いささか意地悪だ。

好きな布を縫う時ほど、曲がりがきつい。
どうにもまっすぐ行ってくれない。
「なんでやのん、いけず!」とこちらも毒づき
このミシンをだんだん人間扱いし始める。
挙句「たのむし、言うこときいてえな」となる。

京都弁になってしまうのは
相手が京ミシンだからだ。

それにしても200個作っても
なおもミシンが下手くそで、じっと手を見る。

こんな不器用な人間が
またぞろ、大それたことしてるってことかな、
と思ったりする。
(パッチワークをしてるときもそう思っていた)

この前、電車の前に座った男性は
工場で見かけるような制服姿で
お疲れらしくピクリともせず眠りこけていた。

そのひとの手が気になった。
男性にしては小さな手だった。
左手の中指だったろうか、
たて2センチほどの長さに傷跡が盛り上がっていた。
何の傷だろう。かなり古そうだった。
はんだ付けのやけどかもしれない。

その後もたくさんのものを作ってきたのだろうな。

その指は短いのだけれど
先が広がっていて力が入りそうな感じだった。
例えばそれは、
ねじを最後まできっちり力強くまわしきる指だ。
そういう指なら
うちのミシンも素直に言うことをきくのかもしれない。


同じような指をした女性を知っている。
そのひとはよく開く力の入る指で
魔法のようになんでも自分で作る。
衣食住のなんでも!だ。

そのひとが文袋を売るといい、と言ってくれた。

そ、そんな、と言いながら、いっぱい練習して、
山ほど作って、ご迷惑も顧みず
まだまだへたっぴいなのを友人知人にもらってもらった。

そしたら喜んでもらえて
暮らしに重宝につかっていると言ってもらえて
単純にうれしくて、またまたいっぱい作って
とうとう、売ることにした。

世田谷のアートフリマと
鬼子母神の手創り市に参加したのだが

今はやっぱり自分の不器用さにうなだれている。

まわりのひとの作品に仕上がりのきれいなこと。
丁寧なこと。安定していること。
売り物とはそういうものだ。

わたしの文袋はそんなふうにはいかない。
上手くいったりいかなかったりだ。

それでも、仕上がりはともかく
こんなのほかにないよね、という自信作もある。
なにしろリサイクルものに強い!
単なる貧乏性なのかもしれないが・・

手はおぼつかないのだが
ああしてこうしての妄想だけは
もうもう突っ走って迷走して
部屋のなかにはまたぞろ布があふれている。



というわけで、文さんはなんにも書かずに
毎日糸くずにまみれながら、ミシンと格闘しています。






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Last updated  2008.05.29 02:04:05
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