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カテゴリ:健康・病気
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■認知症患者の作り話 ―― 作話(その4) 妄想と作話の違いって何なの? 作話は、これまで述べたように記憶障害に基づくものです。一方の妄想は、「主に自己に関する病的な誤った確信であり訂正不能なこと」と定義されており、記憶障害に基づくものではありません。 前述の仲秋秀太郎部長と三村將教授は、作話と妄想の違いに関しても言及しています(仲秋秀太郎、三村將:作話と妄想. こころの科学 通巻138号 71-77 2008)。一部改変して以下にご紹介します。 「作話と妄想は類似性のある症状であり、境界を引くのが困難であると一般に言われている。作話による会話の背景に、情動を読み取るのは困難である。作話による会話は、時間と空間が混沌とし、特別なテーマをもった会話ではない。一方、妄想は情動と何か関連がありそうである。妄想には、怒りや憎しみのような情動が背景にあることが多い。作話と妄想の区別を考えるとき、情動との関連の有無が、ひとつの手がかりになるかもしれない。」 この紛らわしい作話と妄想の違いを比較的分かりやすく文章表現した記載がありますのでご紹介しましょう。 大井戸診療所の大澤誠院長は、「妄想は、異常な心理状態で生じた訂正不能な判断の誤りであり、客観的にはあり得ないようなことを確信する。その確信は揺るぎなく、一貫性があり、展開して体系化したり、構築化したりする。さらに、作話では話の中の矛盾や誤りを指摘されても否定されても、自分の言ったことにこだわらないで、指摘に対して自分なりに検証したりすることがない。これに対して妄想では、矛盾や不合理な点を指摘されるとかえって新たな証拠を持ち出して妄想加工する。」と述べています(苛原実・編著:認知症の方の在宅医療 南山堂発行, 東京, 2010, pp48-55)。 作話を指摘したり訂正しようとすると、介護者との関係が悪化することも懸念されますので、訂正する必要はありません。時間経過とともに軽減していくケースも多いですので、相手の動きや感情に合わせ、否定もせず肯定もしない接し方で見守ってあげて下さいね。 (このシリーズ、終わり)
笠間 睦 (かさま・あつし)プロフィール ![]() 1958年、三重県生まれ。藤田保健衛生大学医学部卒。振り出しは、脳神経外科医師。地元に戻って総合内科医を目指すも、脳ドックと関わっているうちに、認知症診療にどっぷりとはまり込んだ。名泉の誉れ高い榊原温泉の一角にある榊原白鳳病院(三重県津市)に勤務、診療情報部長を務める。認知症検診、病院初の外来カルテ開示、医療費の明細書解説パンフレット作成--こうした「全国初の業績」を3つ持つという。 趣味はテニス。お酒も大好き。お笑い芸人の「突っ込み役」に挑戦したいといい、医療をテーマにしたお笑いで医療情報の公開を進められれば・・・と夢を膨らませる。もちろん、日々の診療でも、分かりやすく医療情報を提供していくことに取り組んでいる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012.02.29 04:24:12
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