2425622 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

楽天塾

楽天塾

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2012.05.24
XML
カテゴリ:健康・病気



■【381回】 医療情報の海におぼれるな [12/04/17]





■体験から語る「医師が病気になったとき」 (その7)

さて話を本筋に戻しましょう。

「セカンドオピニオンを受けたいので、紹介状を書いて下さい」と言うのは、患者さんの立場からすると、担当医には言いにくいことかも知れませんね。

確かに、医師の中には、自分の患者さんがセカンドオピニオンを受けることを快く思わない方が居るのも事実でしょう。

担当医師との信頼関係を崩さないように、うまくお願いする必要はあると思います。「先生のことは信頼し感謝しています。しかし、手術を受ける前に、別の視点を持った医師の意見も聞いてみたいと思います。」というような言い方しかできないのかも知れませんが・・。

また私自身の例で示しましたように、サードオピニオンまで行って、結局、セカンドオピニオンの医師の元に戻るといったことは充分にあり得ることです。ですから、担当医師との関係を崩さないように、慎重に言葉を選んでご相談下さいね。

◇    ◇


なお、弁護士の池永 満氏は、李 啓充医師との対談において、「インフォームド・コンセントとは、十分な情報を得て、理解したうえで、患者自身が自主的な意思決定をするという原則です。その意思決定に基づいて、あるいはその意思決定を得たうえで医療者は治療を行えるということがポイントです。インフォームド・コンセントの主語は患者なのですが、日本ではインフォームド・コンセントの主語が医師となっています。…(中略)…私はカルテ開示制度の法制化を協議した厚労省の検討会などに参考人として出たことがありますが、この議論をしていると噛み合わないので、『インフォームド・コンセントの主語は患者なんですよ。患者以外にないんですよ』と言いますと、驚かれた医療関係者や大学教授もおられました。」と述べています(李 啓充:続・アメリカ医療の光と影─バースコントロール・終末期医療の倫理と患者の権利 医学書院, 東京, 2009, p246)。

著書『続・アメリカ医療の光と影』は「週刊医学界新聞(医学書院)」に掲載された同名連載を加筆修正・再構成したものです。李 啓充医師と池永 満弁護士の対談は、2009年3月16日付週刊医学界新聞2822号にて詳しく紹介されております。

◇    ◇


日本の医療界において、インフォームド・コンセントの主語を患者にするためには、セカンドオピニオンの活用が一番近道だと思います。セカンドオピニオンに踏み込んだ時点で、患者さんが中心に位置する状況が必然的に生まれてくるからです。

私は、「医療情報の海」に溺れないための最大のポイントはセカンドオピニオンであると、自分自身の体験を通しても実感しています。

(このシリーズ、終わり)














笠間 睦 (かさま・あつし)プロフィール




 1958年、三重県生まれ。藤田保健衛生大学医学部卒。振り出しは、脳神経外科医師。地元に戻って総合内科医を目指すも、脳ドックと関わっているうちに、認知症診療にどっぷりとはまり込んだ。名泉の誉れ高い榊原温泉の一角にある榊原白鳳病院(三重県津市)に勤務、診療情報部長を務める。認知症検診、病院初の外来カルテ開示、医療費の明細書解説パンフレット作成--こうした「全国初の業績」を3つ持つという。
 趣味はテニス。お酒も大好き。お笑い芸人の「突っ込み役」に挑戦したいといい、医療をテーマにしたお笑いで医療情報の公開を進められれば・・・と夢を膨らませる。もちろん、日々の診療でも、分かりやすく医療情報を提供していくことに取り組んでいる。









お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2012.06.03 05:43:46
コメント(0) | コメントを書く
[健康・病気] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.