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2012.05.31
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カテゴリ:健康・病気



■【391回】 骨粗鬆症治療薬の選択肢が増えた [12/04/28]





■悲しみを共感する (その4)

私の家族は、毎日30~40分の散歩を心掛け、ビスホスホネートという系統の骨粗鬆症治療薬をしっかりと服用していたにも関わらず脊椎椎体骨折を起こしたため、現在は整形外科主治医の判断により、テリパラチドという薬の連日皮下注射を施行しております。

テリパラチドという治療方法は実は私も初耳でした。徳島大学病院内分泌・代謝内科の遠藤逸朗講師がテリパラチドについて詳しく報告しております。一部改変して以下にご紹介します(遠藤逸朗:テリパラチド連日皮下注射製剤の骨形成促進作用と使用法. Mebio Vol.29 76-82 2012)。

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「欧米における大規模臨床試験では、既存の椎体骨折を有する閉経後女性
1,637人においてテリパラチドを平均19カ月連日投与した結果、骨密度では20μg投与群で腰椎が9.7%、大腿骨頸部が2.8%増加し、新規椎体骨折発生頻度が65%減少、非椎体骨頻度も53%抑制されることが示された。テリパラチドの効果は年齢、投与前の骨密度、骨代謝回転の状態、骨折の既往にかかわらず認められた。テリパラチドによる骨折抑制効果は、ビスホスホネートやラロキシフェン等の骨吸収抑制薬の椎体骨折抑制効果が3~4年間の投与で50%程度であることを考えると、はるかに強力である。」
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私にとっても、骨粗鬆症治療薬の選択肢が増えていることを知る良い機会ともなりました。

余談ですが、ラロキシフェン(商品名:エビスタ)には、認知症予防に関わる副次的な効果もあるのではないかと指摘されています。

「ラロキシフェンは、骨粗鬆症の治療や、乳がんの危険性が高い女性の乳がんの罹患率を下げるために使われていますが、この薬が、骨粗鬆症のある閉経後の女性では軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment;MCI)になる危険性を下げる」ことが認められました。詳細は、上記pdfファイルのp10をお読み下さい。

またこれも余談ですが、かつてエストロゲン療法は、脳を保護する働きがあり、アルツハイマー病の予防に繋がるのではないかと考えられた時期もありました。しかしながら近年の研究結果によれば、「認知症のない65歳以上の閉経女性を対象とした大規模RCT(エビデンスレベルII:シリーズ第116回参照)においてエストロゲン+プロゲステロン治療は認知症発症リスクを有意に上昇させ、エストロゲン単独療法も認知症あるいはMCI発症リスクを有意に上昇させた」(認知症疾患治療ガイドライン2010 医学書院発行, 日本神経学会監修, 東京, 2010, pp200-202)という結果がガイドラインにも記載されていますのでご注意下さいね。

ガイドラインの詳細はネット上でも閲覧可能です。
詳細は、上記pdfファイルのp34をお読み下さい。

(つづく)














笠間 睦 (かさま・あつし)プロフィール




 1958年、三重県生まれ。藤田保健衛生大学医学部卒。振り出しは、脳神経外科医師。地元に戻って総合内科医を目指すも、脳ドックと関わっているうちに、認知症診療にどっぷりとはまり込んだ。名泉の誉れ高い榊原温泉の一角にある榊原白鳳病院(三重県津市)に勤務、診療情報部長を務める。認知症検診、病院初の外来カルテ開示、医療費の明細書解説パンフレット作成--こうした「全国初の業績」を3つ持つという。
 趣味はテニス。お酒も大好き。お笑い芸人の「突っ込み役」に挑戦したいといい、医療をテーマにしたお笑いで医療情報の公開を進められれば・・・と夢を膨らませる。もちろん、日々の診療でも、分かりやすく医療情報を提供していくことに取り組んでいる。









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最終更新日  2012.06.13 04:42:14
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