対北朝鮮食糧支援、米国が法で禁止へ
米国議会で、北朝鮮への食糧支援禁止を盛り込んだ法律が年内に成立する可能性が高いことが分かった。 米議会筋が6日に語ったところによると、ハリー・リード上院院内総務(民主党)が先月末に提出した農業法改正案には、米国際開発庁(USAID)=国務省傘下機関=の海外援助基金を北朝鮮への食糧支援に用いることを禁じる条項が含まれている。食糧援助が米国の国益にかなうと大統領が判断した場合には議会の同意により例外が認められるとの条項はあるが、5年の限時法となる同法案が成立すれば、原則的に2018年まで米国の対北朝鮮支援が途絶えることになる。 上院は昨年にもこうした内容を含む農業法改正案を提出したが、会期の最後で議会が財政赤字解消策に合意できず、現行の農業法を9カ月間延長するというその場しのぎの策を取ったため、自動的に破棄された。当時、北朝鮮への食糧支援禁止条項については特に反対意見が出なかった。 米議会が対北朝鮮食糧支援に関する法の強化に動いているのは、北朝鮮がウラン濃縮の一時中断と米国による栄養補助食品の人道支援を柱にした昨年2月29日の米朝合意を反故にし、事実上の長距離弾道ミサイルを発射したり、核実験を予告したりするなど、挑発的な態度を見せているためとされる。 今年は、与野党が農業補助金や栄養改善プログラムなど数千億ドル(1000億ドル=約9兆3500億円)規模の予算を伴う農業法改正案に同意しており、対北朝鮮食糧支援の禁止条項は問題になる可能性が低いため、改正案はそのまま成立する見通しだ。