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堤未果さんの『ルポ 貧困大国アメリカII」(岩波新書)を読みました。
前著『ルポ 貧困大国アメリカ』は、エッセイストクラブ賞、新書大賞などをとった名著。米国のアムネスティや野村証券などで働くキャリアだった著者は、9,11の衝撃から文筆業に転じた才媛です。 格差社会アメリカを鋭く突いた第1巻の内容もなかなかに衝撃的でしたが、この第2巻はさらにショッキング。「学費」名目のローンに巻き込まれ、借金地獄に陥る若者たち、そしてさらにすさまじいのは、民営化された刑務所が、廉価な労働力の供給所になっている、という話でした。 NYからホームレスがいなくなり、治安が良くなったとされるのは、彼らが軽犯罪者として刑務所に送られた、という背景があるらしい。 これは、現代の奴隷制度ではないでしょうか。 その背景にあるのは、相も変らぬ大企業と政府の結びつきです。オバマ時代になっても、どうやらその性質はまったく変わっていないようです。 例の医療改革が挫折したのも、やはり大企業との関係からのようでした。まあこれは予想されたことですが。 日本がこの徹を踏むことがないよう、祈るばかりです。 http://www.amazon.co.jp/%E3%83%AB%E3%83%9D-%E8%B2%A7%E5%9B%B0%E5%A4%A7%E5%9B%BD%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB-II-%E5%B2%A9%E6%B3%A2%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E6%9C%AA%E6%9E%9C/dp/4004312256/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1267239096&sr=1-1 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
February 27, 2010 11:56:13 AM
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