雪塩ちんすこう
ほんの数日前のこと。
仕事中のちょっとしたこと。
いや、別に仕事中であるなんてことは
どうでもよいのです。
と、あるご婦人と
すれ違いざまにひとこと、ふたこと。
おつかれさまです
ーおつかれさまです
他愛ない普通のご挨拶。
あ、そうだ。これ、あげる。
もらったの、沖縄行った人から。
ーえ、あ、ありがとう。
彼女がバッグから、
不意に取り出して渡してくれたもの。
それが「雪塩ちんすこう」
ー戸惑いもまた失礼であろうか。。
などと、余計な心配などするはずもなく、
ごく自然に頂戴し、
ごく自然に自分のポーチにしまう。
ーあとでいただきます。
颯爽と立ち去る彼女は
自分の仕事を終え、これから、帰るのだ。
そうして、休憩中にふたかけ、みかけ。
とても、美味しかったのです。
なんでもないことかもしれない。
だけど、決して、なんでもなくないかな。
そうそう、ひとつだけ。
私は彼女の話し方を
好きだなぁと思っています、実のところ。