カテゴリ:かずさんの日記
神戸東灘区にある会社の正門前の深江市場が、阪神大震災で倒壊した。
[1995年阪神大震災(2)](つづき) [本社工場:阪神電車深江駅北200m、倒壊した阪神高速の500m北西] 9:40 いつもは30分で行けるところを1時間以上掛かってようやく会社に着いた。正門前の深江ショッピングセンターは壊滅。道路側へ倒壊し、二階の家財が道路に散乱している。ここに従業員の母子が住んでいたはず!(2階に寝ていて助かったと後で判ったが)近くで下宿していた若い従業員は「家が潰れて出るところが無く、屋根を破って出て、会社が心配だから来ました」とケロッとしている。ほんとに無事で良かった!(後日調査で、従業員とその家族全員無事が確認された。もちろん住居は大被害を受けていたが) 工場のタンクヤードから白煙が吹き上がっている。ここには塩酸、硝酸、硫酸、アンモニア水、過酸化水素水の500~3000リットルのタンクが設置されていた。その配管が根元から折れて、薬液がピットに流れ出て反応し、塩素ガス(毒ガス)臭が酷い。ようやく出勤してきた10名ほどとガスマスクを被って中和作業。製品、中間品の炭酸ランタンや炭酸希土をリフトで運んで投入中和。ピット側のコンクリート塀も倒れ、工場裏の家も全壊して道をふさいでいる。そうこうしている内にアンモニア臭もしてきた。サービスタンクの配管破損によるものらしいがどうしようもない。幸い北東の風なので民家の方には流れていかないだろう。放置するより仕方がない。アンモニアは軽いので、放散してくれるのを願う。 作業は若い者に任せて、工場内二次災害防止のために、ヘルメット、マスクで身を固めて検分にまわる。まず危険物の多い分析棟。建物の壁は落ちたがしっかり立っている。危険薬品が多いので、流れ出て発火の危険性がある。入り口を入ろうとしたが、薬品棚、資材ロッカー、実験台などが倒れたり、移動して床全体が埋め尽くされ、這い上がらないと入れない。1階、2階と見て回るが、重い分析装置が動いて通路を塞いでいる。薬品類は散乱しているが薬液がこぼれているものなど無く、まず大丈夫と見当を付けて次は発火石棟。発火石は冠水すると自然発火の恐れあり状況検分に行く。やはり通路が塞がりドアが開かない。棟の反対側からは何とか入れたが、部屋一面に製品の発火石が撒き散らばっている。幸いにも建物は大丈夫なので、冠水発火の恐れ無しと見届ける。平屋木造の事務所は30°ほど傾き、今にも倒れそう。内部を覗くと机がモザイク状に床一面を覆い、見通しがよい。変だなと思ったら机上のパソコンなどが全くない。床の上に転がっている。書庫が倒れ、書類が足の踏み場もなく散らばっている。明るいと思ったら天井が破れ空が見えている。十数台のパソコン、ブラウン管のディスプレーは一つも破損無し(一週間後、幸いなことに古いワープロを除いて全部生きていて、本社機能が回復した!)。炊事場はやかん、コップ、醤油・ソース瓶など、冷蔵庫の中身は全て飛びだしもの凄い惨状。 一段落付いたら午後2時。昼抜きで頑張った!(もっとも食べるものがなかったが!)倒れている自動販売機のジュースを飲んで一休み。 一応、薬液ピットも落ち着いたので、近くに住んでいる従業員を保安要員として残し、帰宅の途についたが、既に渋滞が酷くなり、煙、土埃が舞う中、道路の段差、バイク、自転車の群れを避けながら何とか15:30 に帰り着いた。 会社への往復、休憩時に近くに出て目に触れる惨状を写真に撮った。(つづく)
<今朝は薄曇り。靄も無くすっきりしている。7℃82%で気温が高め。寒波が続いていたのでホッとしている。小鳥も同じか、ヒヨが騒いでいた。来週はまた大寒波がやってくるらしい。地球温暖化はいったいどうなっているのだろう?> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jan 18, 2018 09:11:18 AM
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