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カテゴリ:読書
沼田まほかる「九月が永遠に続けば」読了しました。
![]() 【送料無料】九月が永遠に続けば いやいや、ここ1週間というもの読書熱に火がついて、 怒涛の読書三昧です。 その理由は自分でよくわかっております。 目の前に、やらねばならない仕事がデンとある。 それに取りかからねばならないのだけど 何故か別のことがしたくなる… 学生時代、テスト勉強をしている時に限って レコード(当時はCDなんかなかったよーん)を聞きたくなったり 読書したくなったりした、アレですね。 人はそれを現実逃避と呼ぶ…。 さて、沼田まほかる「九月が永遠に続けば」 読後感を一言でいうなら「どよーん」。 本当に落ち込んでしまった。 気を取り直し、まずはあらすじ紹介から。 *** 主人公 水沢佐知子は高校三年生の息子がいる41歳。 夫とは8年前に離婚していて、現在は息子の文彦との二人暮らし。 元夫は精神科医で、亜沙実という女性と再婚。 亜沙実には冬子という連れ子がいた。 佐知子は自動車教習所に通い始める。 そして担当教官の名札に「犀田」とあるのを見て動揺する。 元夫から連絡があり、娘の冬子が 自動車教習所に勤める犀田という男と付き合っていると 聞かされていたから。 佐知子は犀田に次第に惹かれ、 秘密裏に付き合い始めることになる。 元夫の娘の恋人と知りながら。 一見平穏さを保っていた佐知子の生活だったが ある日、息子の文彦がゴミ出しに行ったまま失踪してから 一変することに。 翌日、犀田が駅で列車に轢かれて死亡したという事件を 新聞で知る。 電車の運転手によると、犀田は自ら飛び込んだというより 誰かに突かれて落ちてきたように見えたという。 そして死の直前まで犀田は冬子と一緒にいて、 言い争っているのを目撃されていた。 犀田を突き落としたのは冬子なのか? 時を同じくした文彦の失踪と何か関係があるのか? 佐知子は文彦の行方を自分で探しだそうと動き出す…。 *** この小説は沼田まほかるが50代で初めて書いた長編であり、 第5回ホラーサスペンス大賞受賞作。 普通、こういう"賞"ものの選考は若い人が有利なんだそうですね。 「荒削りではあるけれど、将来に期待して」というように。 それを押さえての受賞だけあって、 独自の世界が確立されている印象を受けました。 文体などが似ているのではないけれど、 読んでいる時に、綾辻行人の作品と 世界観がちょっと似ているかもとは感じましたが 綾辻行人はこのときのホラーサスペンス大賞の選者だったらしく この作品を絶賛しています。 綾辻さん、やっぱりお好きなのね、こういうのが。 ただ、あまりにもグロテスクな想定があり、 その部分を読むのがつらかったです。 そして、人間関係の複雑さや狭さが息苦しくってたまらない。 それでも投げ出さずに読めたのは 文彦の同級生で、同じマンションに住んでいるナズナと その父親の存在のおかげです。 とくにナズナのパパ(作中では娘に「ダディ」と呼ばれていた)は 独特なキャラクターとして描かれていて 彼が登場してくると、空気が緩みました。 しかも最初は彼に対して嫌悪感を感じていたのに 最後には微笑ましさを感じて本を置くことができる… このあたりは沼田まほかるの人物設定のすごさかな、と思います。 しかし、しんどかった。 お勧め度は ★★☆☆☆ 星が二つしかないのは、駄作だというわけではなく ひたすら「気力体力ともに充実している時に読んでくださいね」 という意味でございます。 しかし、沼田まほかる、50代でデビューか…。 中年女子の星だ! さて、ブログを書き終えたところで、 ついについに、やらねばならないことに 取りかからねば。 実はもう1冊途中まで読んでいる本があり これがめっぽう面白いのだけれど… しばし封印。 さ、鉢巻き締めて頑張ろうっと。 今日の日記を気に入って下さったら ↓ポチっとクリックお願いします。 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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