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旧・茶々吉24時-着物と歌劇とわんにゃんと-

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2014.12.20
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カテゴリ:読書
転んでも ただでは起きない、それが作家というものか。
林真理子『大原御幸 帯に生きた家族の物語』を読んで
まず感じたことです。


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この小説は、ある人物の半生を自費出版で発行したいと依頼を受け
ライターが当事者にインタビューし、
相手の語りをそのまま書き留めているかのような体裁になっています。

ある人物とは 戦後の京都で、芸術作品のような帯を作り続けただけではなく
政治や能、相撲、歌舞伎などさまざまな方面に影響を及ぼした松谷鏡水。

松谷鏡水について語るのは、松谷鏡水の娘 祥子と
祥子の元夫である新垣で
読み手はライターの立場に身を置き、
二人の回顧談を聞くことで、
松谷鏡水の人物像を思い描くと同時に
戦後から、高度成長期の世相も感じることが出来ます。

松谷鏡水と、娘の祥子、新垣たちは
実在の人物をモデルにしているようです。

松谷鏡水のモデルとなった若松華謡氏、
新垣のモデルとなった元阪神タイガース 土井垣武を
私はこれまで全く知りませんでした。
おそらく、若松氏が私の祖父と同年代、
土井垣選手は父と同年代か、もう少し上のようなので
知らなくても仕方がないのかもしれません。

最初は主人公たちに なじみがなく、
遠い話に感じていてたのに、
すぐにストーリーに没頭できたのは、
帯や着物に関するうんちくが、
着物大好きな私には、とても興味深かったから。

また、父親の偉業を語る祥子が
若柳流と藤間流の舞踊を修めているのですが
発表会に関して語るあれこれが
流派こそ違うものの(私は花柳流でした)
日本舞踊を習っていた私には、実感できて一気に読み勧められました。

また、主な登場人物以外はほぼ全員実名で登場し、
そのメンバーの豪華絢爛なこと!

作家では有吉佐和子、瀬戸内寂聴、平岩弓枝。
舞踊・歌舞伎界からは藤間勘十郎、藤間紫、市川猿之助、坂東玉三郎。
歴史上の人物の東条英機、甘粕正彦。
そして相撲の木村庄之助…

戦後、日本の復興とともに訪れる着物全盛期と、
その後の生活様式の変化による着物業界の苦戦など、
私が生まれ育つなか、実際に感じた部分とも重なり、
退屈するところがありません。

それにしても、この小説の登場人物に限らず、
昭和40年代・50年代に残る逸話はスケールが大きいですねぇ。
松谷鏡水が芸妓・舞妓を呼んで行うお茶屋遊びの粋なこと、
情け深いことと言ったら!
平成のお金持ち(成金)が
クラブでドンペリ抜いて大騒ぎするのとは全く趣が違います。

そしてこの小説の面白いのは
婿である新垣(土井垣)の立場からはどう見えていたのかも
ちゃんと書かれていることかも知れません。

最後は突き放されたような終わりかたになっていて、
元々は「偉大だった父のことを残したい」ということで
関係者二人にインタビューしていたこのライターさん、
取材を終えて、いったいどんな「松谷鏡水伝」を書くのかなぁ…と
一応ライターの端くれの私としては興味がわきます。


さて冒頭で、林真理子のことを
「ころんでも ただでは起きないのが作家」と書きました。
何が、かというと、着物や帯に関する 話の豊富さ、面白さです。
林真理子はご自身、着物がお好きで
着物に関するエッセイを多く書いています。

私は高校卒業まで日本舞踊を習っていたため
もともと着物が好きでした。
2005年からは自分で着られるようになり、
一気に着物にはまってしまったのです。
それで着物に関する雑誌やエッセイを片っ端から読みふけることになり、
その中で出会った林真理子の着物エッセイへの感想は
「ふふふ、林真理子も相当はまってはるナァ」。

着物は、帯がなくては着られません。
色や柄、素材などを考えて組み合わせるのが
時に楽しく、時に苦しい。
林真理子は いっそのこと「着物の数だけ帯が欲しい!」と書いていました。
もちろん、着物と帯だけでは和装は完了せず、
帯揚げ、帯締め、帯留め、バッグ、草履や下駄、
果てはメイクなどなど、
凝り始めると泥沼に足を踏み入れたように、底なしになります。
またそれぞれの金額が決して安くなく、
しかも林真理子ほどになると、
私が着物にかける金額とは桁が1つ、2つ(3つ以上かも)
違うみたいなのです。

着物が好きな人は、その沼にハマることを一種快感に思っている節もあり、
よけいにハマる傾向があると思います。

着物の沼にハマった林真理子は
それを見事にこの小説に生かしています。
「花の季節に花の柄の着物を着ることは野暮である」といった主人公の言葉や
芝居の演目などを「見立て」たコーディネートについて書いてある部分は
筆が軽やかで、読んでいて とても楽しい。

着物好きなら ぜひご一読を。

なお、松谷鏡水のモデルである若松華謡については
こちらに詳しく書かれています。
初代 若松華謡とは

【おまけ】
この小説に実名で登場する人物の中に、
元プロ野球選手・元監督である
別当薫さんがいました。

思わず、ああ〜懐かしい!!と声を上げてしまいましたよ。

というのも、大学時代の同級生に、別当薫さんの姪御さんがいらして
彼女の結婚式で私、別当さんにお会いできたんです。
元々、テレビではお顔を何度も拝見していた別当さん。
近くで見ると背が高くて、体格が良くて、しかも優しそう。
加えて、スターらしい華やかさもありました。
一緒にお写真を撮っていただいて光栄でした。
もう天に召されて15年ほど立ちますが
こんな形で再会できるなんて。
嬉しかったです。


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最終更新日  2014.12.20 15:09:05
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