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「君と僕の街で」「きみのことすきなんだ」谷川史子

土曜日にまたマンガ買ったの。私が小学生の頃から好きな漫画家さんで、りぼん等の少女誌から今は青年誌まで書かれているという、谷川史子先生の作品が文庫本になったんだ。とはいえ、単行本で今も捨てずにもってはいたんだけど。初期・中期の作品がメインでまだりぼんオリジナル号（りぼんの別冊の期間号）等で短編で書かれたものの傑作選です。二冊ともかなり人気の作品で、谷川さんの作品というと、どこか他のキラキラ目の女の子とは明らかに違う、男子が主人公の話も多いし、どこか和風なところがあったり、（よく味噌汁と魚が食卓に並ぶシーンがある）知的な感じもするし、なにより今はやりのスピンオフをよくやるので、ファンは結構多いのです。「きみのことすきなんだ」・「きみのことすきなんだ」初期作品の中でもカナリ人気のある作品、谷川節炸裂って感じ。主人公の男の子は魚屋の跡取り息子。彼の彼女は実は魚が大の苦手だということがわかって、どたばたしていく話。そのどたばたしたとこがかわいくて好き。・「乙女のテーマ」この作品は2部作で、その後の「騎士のマーチ」は続編なので、3部作になってる。その頃からすでにスピンオフをやっていた谷川先生はすごい！主人公は美人・秀才・金持ちな3人。だけど、どこか抜けてるとこがある。それは過去の失敗だったり、無愛想なとこだったり、ファザコンだったり。そういう所から乗り越えて、ちょっと大人になる子たちの話。特に懐石料理やの文香のちょっと悲しい恋の話は当時、悲しくて涙ぽろぽろでした。大人になったらそういう別れは多くなっていくし、学生時代の恋のように状況も考えずに突き進めなくなったりする。文香の場合、親が早くになくなったから仕事もプライベートもなんだか大人びてしまって、こういうお別れを経験しなければいけなくなってしまったのがかわいそう。・「花いちもんめ」この作品は私が谷川先生の作品を初めて見た作品。主人公の女の子は実の兄が好きっていうちょっと危ない感じ設定だけど、これも兄ばなれをして、成長していく話で、絵はまだ初期なので今の出来とは比べ物にならないと思うけど、設定が面白くて好き。・「早春に降る雪」3月の卒業シーズンのお話。恋を初めて知る子の話。珍しく結構シンプルな話。・「緑の頃わたしたちは」この作品、谷川ファンの中では表題作以外ではカナリカナリ人気の作品。「素敵なお姉さんになる　素敵なおばさんになって素敵なおばあさんになる」っていう名台詞は有名。「君と僕の街で」これは2作入ってるんだけど、2作ともオムニバスになってて、「君と僕の街で」の主人公の友達カップルが2作目。彼女らが行きつけのうどん屋の娘の話が３話目、その子の友達の話が４話目。で、その妹の話が５話目（で、5話目の続編も単行本ではある）5話目の話が遠距離恋愛の話で、「距離と戦うっていうのもなかなか面白そうじゃない？」って台詞が好き。「各駅停車」はマイホームタウン湘南地域が舞台になってて、江ノ電（藤沢～鎌倉まで海岸線を走る路面電車）がでてきます。江ノ電自体もかなり人気がある電車で、私も花火大会か鎌倉へ遊びに行く時くらいしか利用はしないんだけど、とても風情があるよ。江ノ電↓乗ったことがある人はわかるけど、海が間近に見える景色はホントにきれい。そこに乗ってる学生はホントかっこよく見えるなぁ。でも、その辺の学校に行くにはもっともっと頑張らないといけなかったなぁ。（学区2番、3番目に頭のいい学校なのよ・・・）話は脱線したけど、この話も毎回主人公が変わっていく話。最終話はちょっとした観光シーンもあって鎌倉に行きたくなるかも。谷川先生も大好きな豊島屋の「鳩サブレ」もお忘れなく！ちなみに割れた鳩サブレは安く買えると誰かから聞いたよ。で、今谷川先生は「コーラス」（ハチクロなどが連載されていた雑誌）で短編を執筆されてます。今出てる新刊は「積極」という話。デビュー作からずっとある「和」と「知性」がマッチした素敵な大人な作品です。りぼん時代とはまた違う味のある作品だと思います。登場人物の名前が当時やっていた「トリノオリンピック」のフィギュアスケートの選手の名前から取ったというので、ぜひそれも気にしてみてみてくださいな。

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