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地図のお話

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びらっち

びらっち

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2008年06月02日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
昨日、奥多摩の鷹ノ巣沢を、4人パーティーで登ってきました。

ツメに入り、水も枯れ、落ち葉混じりの岩クズ帯を進んでいると、
突然、先頭から2番目の足元から、茶色の4本足の小動物が駆け出しました。
3番目を歩いていた私は、瞬間的に、猫だっ、と思いました。
山の中に、そんなものいるわけないのに。
いちばん近くにいた、2番目の人も、猫!!!???が第一印象だったそうです。

その動物は5mくらい離れたところで振り返りました。
そこで、ようやく、子鹿であることがわかったのです。
そのときの4人のおどろき。「ああっ」「鹿っ」。
数秒の間、私たちを弱々しい目つきで見つめた後、
子鹿はガレた斜面をおぼつかない足どりでトラバースしていき、やがて見えなくなりました。

何よりも信じられなかったのは、
その子鹿が、先頭の者が保護色のために気付かずに通り過ぎた瞬間は、
そのわずか1m横で、うずくまったままだったということです。
猫と見誤らせた最大の原因がそれです。
野生の動物がそんな行動をとるとはよもや思いません。
鹿のいたところはわずかに窪んでいて、手を当てると体温が残っていました。

今思いかえしても、その体は、猫と見間違うほどに小さいものでした。
お尻から頭まで、ぜいぜい人間の肩幅くらい。
足取りがおぼつかないのも、ケガをしているわけではなく、
産まれから経過した時間が、とにかく短過ぎるのです。
生後どれくらいかなあ。1ヶ月以内なのかなあ。

これまでも山中で子鹿はよく見ました。
でも、それらはすべて、
母親について、ぴょんぴょん跳ねながら逃げていく姿です。

おそらく、母鹿は、子鹿が生まれてからごく間もない時期は、
つねに行動をともにするわけではないのでしょう。
動き回って草根を摂らねばならないときは、
安全と思われる場所に我が子を待たせておく。
「いい、私が帰ってくるまで、ここでじっとしているのよ」、と言い含めて。
子鹿も言いつけを守っていたのですが、思わぬ侵入者に驚愕動転します。
先頭が通り過ぎるときは全身がこわばって動くことさえできなかったのでしょう。
そして、2人目が来たところで、ついに本能が体を衝き動かした。

興奮も覚めやらぬまま行動を再開すると、
やがて、遠くから、笛の音のような鳴き声が聞えてきました。
母鹿の呼ぶ声でしょうか。
「悪いことしちゃったなあ」
「お母さんとうまく会えるかなあ」
そんな会話を交すうち、一人の女性が身もだえするように声をしぼりました。
「ああ、もう、ザックに入れて持って帰っちゃいたい!」
ああ、もう、激しく同意です。





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最終更新日  2008年06月08日 22時40分01秒
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