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カテゴリ:海外の旅
マンディとマユの姉妹は本当に仲がいい。何をするのもいっしょだし、プライベートなこともよく話している。というか、この姉妹の家族はみんな仲がよくて、一緒に暮らしていなくてもお互いのことをよく知っているのだ。マンディに、
「マユと本当に仲がいいね」 って言うと、ケンカもよくするのだそうだ。信じられなかった、この目で見るまでは。 私の滞在中、マユはバイトを解雇された。日本食レストランで働いていたけど、週末にバイトを休んで(ちゃんと連絡をしていた)グランドキャニオンへ行ったのが日本人女性のマネージャーの逆鱗に触れたらしい。同じバイトの男の子も仕事を突然キャンセルしたのだけど、彼はクビにならなかったそうだ。マネージャーは、マユが男の子に人気があるのを妬んでいたようだ。それもそのはず、彼女はとてもかわいいから。その後には新しいバイトが決まったけど、そんなこんなでストレスがたまっていたようだ。 マンディは、この日は勤め先の小学校のオープンスクールで前日から準備に追われていた。ほとんど寝ていないと言っていたし、おまけに保護者面談は夕方になってからだ。彼女は学校から帰ってきたとき、ものすごく疲れていた。私も疲れていて、ジューンとスーザンが帰ったあと、ずっと眠っていたのだ。そんな私たちにマユは晩ご飯を作ってくれた。ここまではよかったのだ…。 私たちは前の晩から飲みに行こうと話していた。毎週彼女たちは、マユのバイト仲間の日本人男性と飲みに出かけているのだそうだ。しかし、ソファーでうたた寝を始めたマンディは起きなかった。マユは早く行かないと友だちを待たせているから悪いと言うが、マンディは仕事で疲れていると言う。おまけにジェームスから何度もマンディの携帯に電話がかかってくる。それをいつも受けていたマユはもううんざり。 「何よ、マンディ、マンディって!彼ってキモイ!」 険悪な空気が流れた。美人姉妹の言い争いが始まる。 私はただ黙って寝たふりをするしかない。私も疲れていたけど、出かけるつもりだった。でも、ジェームスからの電話で、彼が来るなら行くまいと決めていた。マユには本当に悪いのだけど。でも、彼女たちのケンカで、その話もお流れ。友だちに断りの電話を入れたマユ、マンディに向かって一言。 「あなたって恥ずかしい人」 そう言い放って、マンディに毛布と枕を持ってきた。いつもいっしょの部屋に寝ていたのに、この日はリビングで寝ろってことだな。でも、毛布を持ってきてあげるってだけでも、マユは優しいって思った。その後、ジェームスからまた電話がかかり、マンディが彼に一言。 「マユがあなたのことキモイって言ってたわよ」 普通言わんよ、アサミちゃん(マンディの日本名)! マユがジューンと日本に来たときはとても大人しかった。無口で、いつも不機嫌そうで、とっつきにくい子だと思っていた。でも、今回思ったのは、マユのほうが大人だ。マンディは誰に対してもいい人なのだけど、感情がストレートで顔に出やすい。私とよく似ている。マユはものすごく気を遣う子だ。 どうでもいいけど、翌日は3人でメキシコへ遊びに行く日だ。このまま険悪なムードのまま行くことになるか、ちょっと憂鬱だなぁなんて思いながら再び眠りにつくのだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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