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テーマ:感銘を受けた言葉は?(281)
カテゴリ:ない頭で考えたこと
もう10年以上前になります。小学校の臨時講師として働いている間、機会があって作家の渡辺淳一さんの講演会に行きました。教職員対象に県の教育会館で行われるので無料です。私は講演を聴くことが好きです。人の話の中から自分の生き方のヒントが得られるからです。
渡辺淳一さんといえば、大人のちょっとドロドロ系の恋愛小説で有名です。私は恋愛小説を好んで読まないので、それほど渡辺さんに興味はありませんでした。ただ、「流氷への旅」という小説だけは大好きで、何度も読み返したことがあります。まだ見たこともない北海道の美しい情景が頭に浮かんでくる、そんな美しい恋愛小説でした。 臨講仲間の友人も読書が好きで、彼女は渡辺さんの小説が大好きでした。彼女に誘われたので講演会に行くことにしました。席は最前列のど真ん中を陣取りました。 そしてステージに渡辺淳一さん登場。それが、それが、すごく素敵な方なんです。写真で拝見しても素敵な方なのに、実物はこれはちょっとくらっとくるなってくらいフェロモンが出ていて(なんじゃ、そりゃ?)、ダンディで素敵な方でした。面食いの私はステージの上の渡辺さんに釘付けでした。「愛があれば年の差なんて…」と自分勝手に妄想に陥っていました。 講演会のテーマは「才能について」。教職員が相手だから感応的な大人の恋の話なんてすることはできません。少しは小説のエピソードなんかについてもお話してくださったのですが。こんなに素敵な方だったから、ちょっとすました感じで講演されるのかと思っていました。しかし、渡辺さんはとてもおもしろい方だったのです。素敵なんだけど、お話されている時は普通のおじさんなんです。何度も大笑いしてしまいました。 「才能」についてもおもしろおかしくお話されました。講演の内容は大昔のことなので詳細は覚えていません。ただ、印象に残った言葉は「誰にでもその人だけの才能がある」ということでした。その人の特技は何でもその人の才能だし、黙って立っているだけで笑えてしまう人も、それもその人の才能だというのです。なるほどなって思いました。そしてその子の才能を伸ばすのは、周りの大人の役目だなと思いました。 昨日の日記で私は子どものしつけのことについて書きました。挨拶をできない子、人の話を聞かない子、物を投げて渡す子などいろんな子がいます。でも、そんな子を頭ごなしに叱ったり、口うるさくいうほど子どもって意固地になって言うことを聞かないんですね。 「部屋を片付けなさい!」 じゃなくて、 「お部屋がきれいだと気持ちいいね、ちょっといっしょにお掃除してみようか」 完璧にできなくても褒めてあげることも大事なのです。 昨日の日記を書いたあとに渡辺淳一さんの講演のことをふと思い出しました。しつけは確かに親の役割だけど、身近にいる私がそうやって声がけもしなければならないんだなって思いました。生徒たちが人の話を聞くことができないなら、聞くように仕向けなければなりません。だんだんと私の知らなかった面を発揮してくれるかも…。あ~、難しい! 余談… もちろん、講演を聴いて以来渡辺淳一さんの小説を読むようになりました。「花埋み」と「冬の花火」が大好きな小説です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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