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カテゴリ:文科省未検定「新しい旅行」
昨夜は名古屋駅界隈で、元の出向先のメンバーとの飲み会。多国籍料理店である。
1ヶ月ほど前にメールを頂いた元の上司のお誘いで出向を解かれたメンバーも集まることになった。その元上司は病気を理由に既に要職を自ら退いて一般職に就いているが、今日はこともあろうに酸素ボンベを担いでの登場である。以前から難病を患い入退院を繰り返しているのは存じ上げていたが、呼吸だけがしんどいらしくて他は至って元気なようである。でなければ酒飲みにわざわざ誘ったりしないのである。マスクの下の吸入器が少々痛々しいが血色はよさそうだ。 あまり多くを語ることはできないが、もとの出向先は現在駅構内の売店等をサポートする業務にも関わっており、社員の超過勤務が常態化しているとのことで問題になっているという。一方で万博への側方支援にも関わっており、終了後も売店関連の営業については採算の面から議論があるそうだ。万博が終わってしまえばヒトもカネも、そして後述する大型バスなどモノ余り現象を起こしそうなことは察しがつくが、採算の見込めない店舗を整理することを見越して、わざと人手不足にしているような気がしてならない。そんなことを熱く語っているうちに一席目の居酒屋は時間切れ。接客を担当してくれた紺野あさ美似のかわいいネーチャンに後ろ髪を引かれ隊隊長に任命されながら(意味不明)、次に向かったのは高速バスの待ち時間によく利用している、名駅桜通口のカフェスタンド。ところがアイスコーヒーを流し込んでいるうちにお腹がゆるくなってきた。どうも多国籍料理っつーのは、口にはあうのだがお腹に合わないらしい。 あわててトイレにかけこむが、新幹線が大雨で名古屋以東不通であるとアナウンスが聞こえる。私のお腹も集中豪雨なので、しばらくカフェまで不通である(またしても意味不明)。 なんとかお腹は"治まった"が、すでに終バスも終わっているし体も本調子でないのでやはりホテルを取ろうと思うが、万博特需の週末はまともに宿がとれない。この日グランパス戦だったアウェーチームも、宿がとれずに即日強制帰還すると前日のニュースで知ったから覚悟はしていたが、それでも1部屋はあるだろうと検索をかけて泊まったのは、名古屋市南区からチョイと外れた東海市名和のビジネスホテル。名鉄駅から徒歩2分、目の前にコンビニ。朝食つき6千円ちょっとならよしとしよう。 ところが、今日もトラブルに巻き込まれることになった。 日曜朝の私の定番であるこの番組を見ていると、ニュース速報に思わず目を奪われた。 名鉄常滑線・空港線 太田川~中部空港 事故のため運転見合わせ 後から知ったが、19歳の学生が運転する乗用車が常滑線沿線の道路の電柱に激突、その電柱が架線に接触しそうなほど傾いたため、架線への送電を停めたために列車の運行ができなかったということらしい。 中部空港開港以来初の鉄道線の不通事故である。昨夜もたまたま新幹線の不通に出くわしたが、どうも不通にばかり遭う。はたして、現場ではどうなっているのだろう。名和から太田川は3つ目の駅だ。代行バスは出るのだろうか。野次馬魂の血が騒ぎ出した。早々にチェックアウトを済ませた私は、ひとまず太田川へ向かった。 思ったとおりである。 既に名和駅で、快速特急 太田川というありえない方向幕のミュースカイが通過してゆくのを見ていたので予想できた光景だが、タクシーに乗り合って空港へ向かうようである。携帯電話で連絡をとる学生も「代行(バス)出るって(駅員が)言ってるけど、いつくるかわからん」と困惑気味。私なら知多半田まで出てから空港行きバスしかないと即答できるし、現にそう駅員もアナウンスしているではないか。しかも、太田川から空港までの正規料金(570円)を払って知多半田で証明を受ければ継続乗車ができるのに、なかなかそこまで乗客に伝わっていない。河和(こうわ)ゆき急行が接近する放送を耳にした私は、すかさず持っていたユリカを自動改札に突っ込んだ。しまった、知多半田はまだトランパス非対応やった!と思ったが、取り合えず電車に飛び乗り、下車駅で改めて現金精算した。 上が乗り越し証明書で、下が乗車駅証明書。 ユリカに限らず、このテの鉄道系プリペイドカードの場合、入場したまま自動改札を出場していないと次回以降このままでは使えないため、この証明書を駅の出札口に提示して処理をうける。 下はバスの下車時に運転士に渡すことで代替輸送をうけられる(鉄道の通し運賃で乗れる)。 知多バス 知多半田駅転回場。 空港代替輸送に備え、「臨時」の方向幕を出したバスが並ぶが、実は・・・。 このバス(空港へ回送?)ともう1台で終了。 8:45には常滑線は運転を再開したと一報が入ったのである。 河和ゆきの特急で下車したという空港への旅客の連絡を待って 8時50分に知多半田駅を出発。 この臨時便はダイヤにはない快速便として運行されたが、途中バス停の沿線旅客はそんなコトを知るハズもないので、実質ノンストップでの運行である。 快速、といっても別に高速道を経由するわけではない。 有料区間は、空港連絡路のりんくう常滑インターから空港島までのみである。 愛称"セントレアライン"の側道であり、昔は半田常滑道路という有料道路だった県道をひた走る(中央線の痕跡も確認できる)。 9時22分、空港到着である。 9時15分集合だから・・、と心配していた10時半フライトのシニアの女性2人連れもひと安心。 もとはといえば、彼女らのリクエストで運行されたといってもいい。 ちょっとしたデマンドバスだ。 さて、先ほどのユリカの処理をしてもらうため、鉄道駅に向かった。 まだ復旧してまもないのでダイヤも相当乱れていたが、混乱しているのはダイヤだけではなかった。 名鉄駅では客のクレーム処理におおわらわである。 私の前で窓口の駅員に喰ってかかっていたのは定期券客のおっさんである。なんでも、名鉄名古屋駅での「空港へは高速バスをご利用下さい」というアナウンスを鵜呑みにしたおっさんのようで、高速バスがなぜ振替輸送にならないのか!と怒鳴っているのである。ただ事前に回避して高速バスを選択した乗客もいるわけだから、このおっさんの苦痛も理解できなくはないものの、鉄道愛好家から言わせりゃちょっと都合が良すぎる。ここらへんは別途料金がかかりますがと断った上でのアナウンスがきちんとなされるべきだったろう。名鉄バスが分社化した影響が、まさかこんなカタチで現れたとは思わないが、今後はグループ企業としての連携を問われることは必至だ。 もちろん復旧を急いだのは正しい。いちばん不運だったのは常滑線沿線で足止め喰らった客である。もう一人改札横で駅員にダダをコネているのは、タクシーを新舞子から手配した客らしく、代金精算しろということらしい。 万博特需で電車代行まで出せないバス事情も皮肉だが、常滑線沿線で足止めを喰らった旅客はわずかなのだから、いずれにせよ、タクシー代ぐらい払ってもよさそうである。事故を起こした19歳がすべて責任を負うのは当然で、タクシー代ぐらい安い代償だ。 あとから関係者に聞いた話では、この夏からの増便も決まったこちらも大繁盛だったようであるが、名古屋駅周辺はいいとしても岐阜や尾張地区からのアクセスには不安が残る。 今回は不通の時間が比較的短時間だったために大混乱こそなかったが、ただでさえ万博輸送でバス車両そのものが不足している現状※下欄外参照をみれば、お盆の繁忙期を前に心配は拭い去れないのがホンネである。 ※というのも、この夏から運行を開始した名古屋~新潟便高速バスを例に取れば、リンク先を見ればおわかりのように新潟発夜行→名古屋発昼行と、とてもいびつな運用である。名古屋側からも夜行便が欲しいところだが、それができていないというのは、おそらくバスが足りないということの表れではないだろうか。答えは万博後に出ると思うが、このままの運用でいくとは考えたくない。 とはいえ、野次馬根性で安易なブログネタぐらいのつもりで向かった空港だったが、今や名鉄の生命線である常滑・空港線の脆弱性をまざまざとみせつけられた一日であった。 決して人身事故でなくとも、決して踏切事故でなくとも、 鉄道に関わる交通事故は多大な迷惑をかけるということを忘れてはならない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jul 11, 2005 10:15:05 AM
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