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テーマ:男優たちの華麗な酒盛り(277)
カテゴリ:アメリカ ・ 西部劇
これは親を亡くして大牧場主に引き取られた娘パール(ジェニファー・ジョーンズ)を中心に一族の兄弟の確執、情熱的な娘の愛憎を描いた傑作西部劇である。 監督が三人も替わり、脚本家が四人もクビになった。それ程セルズニックがこの映画に賭けた情熱は凄く、愛妻であり、彼が育てアカデミー賞までとらせた名女優ジェニファー・ジョーンズの新しい魅力を引き出して見せた。 大牧場主の下へひきとられて来たインディアンと白人の混血児。彼女の妖しい魅力に大牧場の息子たちの心は騒ぐ。兄はインテリの好青年ジェシー(ジョセフ・コットン)。弟は乱暴な荒くれ青年リュート(グレゴリー・ペック)。そこからおきる事件の連続。彼女が本当に愛したのは・・・。 所々で画面を彩る灼熱の太陽、まっ赤に平原を染める夕陽など自然が印象的だ。狙って撮ったであろう空と雲の色がなんとも不気味かつ美しい。鉄道敷設のスペクタクル、愛にもだえるヒロインのセクシーこの上ない悶えのポーズ。映画史上名高い超大作である。 開巻劈頭、赤い血のような太陽が画面を彩る。そして間もなく、パールの父親が死の間際に言う言葉、 「真実は一つ、咲いた花は、必ず枯れる」 これはパールの行く末を暗示しているのだろうか。 ラストはシーンは鮮烈だ。心をえぐられるような映像である。銃撃戦の後、息も絶え絶えのリュートのそばへパールが地面を這いずりながら近づいていく。 「嘘を言ってもしょうがない・・・俺は死ぬ・・・パール、聞こえるか・・・俺はもうダメだ。身体がもたない・・・早くきてくれ・・・顔を見せてくれ・・・どこだ・・・もう一度だけ抱かせてくれ・・・お願いだ・・・愛してる、愛してるんだ・・・」 「おお、リューク、頑張って・・・」 パール、渾身の力をこめてリュートに近づく。リュート、顔を寄せて激しいキス。 そして、息絶える。暫く死に顔をみていたパール、リュークに身をよせ、そして・・・。 抱き合って息絶える男女の姿はグッと胸に迫るものがある。 1946年・カラー・アメリカ作品 監督:キング・ヴィダー 出演 グレゴリー・ペック、ジェニファー・ジョーンズ、ジョセフ・コットン、ライオネル・バリモア ブログランキング参加中 応援よろしくお願いします ↓ 人気blogランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.05.16 10:20:15
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