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テーマ:DVD映画鑑賞(14195)
カテゴリ:アメリカ ・ 西部劇
この作品は実にユニークな西部劇である。主人公は文字通りカウ・ボーイたちだ。いずれも無名の少年だが、中々大人そこのけの演技を見せてくれる。 大人たちがゴールドラッシュでいなくなり、ダブル・オー牧場の主人ウィル・アンダーソン(ジョン・ウェイン)は困っていた。400マイル離れた町ベル・フーシェへ、1200頭の牛を運ばねばならないのに男手が足りない。困り抜いたウィルは、仕方なく少年たちをカウボーイ代わりに雇って出発することにした。 彼が雇った少年は、デブ(アルフレッド・バーカー・ジュニア)、スチーブ(スティーブ・ベネディクト)、四つ目(ニコラス・ビューヴィ)、スリム(ロバート・キャラダイン)、ウィーディ(ノーマン・ハウエル・ジュニア)、チャーリー(ステファン・フーディス)などの11人。それに食事係の壮年の黒人が一人だ。 ウィルの鍛錬はきびしく、最初は興味半分で参加した少年たちの中には本気でウィルを憎む者さえ出始める。少年たちは、ウップンを払うためにウィスキーのビンを盗んで、回し飲みしたりした。ある日、岩の上にいた四つ目が牛の群れの中にメガネを落としてしまい、それを拾おうとしたチャーリーは牛の大暴走の下敷となり死んだ。 「物事の成り行きは分からんものだ。あんないいやつがどうしてだ。立派な男になっただろうに・・・。死はいつどこで訪れるかわからん。いやなものだが、やるべき事を全力でやっておれば、死を迎えられるはずだ」 ウイルが墓穴の前で喋る。 不気味なインディアンの群れの出没。それでもウィルは前進をやめようとはしない。沈着冷静な行動力と、長年西部の風雪に鍛えられた叡知と勇気は、知らず知らずのうちに少年たちに伝わっていた。 少年たちは、人生とは何か、死とは何か、それらに打ち克っていく人間の力とは何なのかを教え込まれていった。ガミガミとうるさい頑固オヤジのように見えた彼が、実は無限にやさしい人間的な情愛にあふれた男であることが少年たちには理解できるようになってきた。 やがてケート(コリーン・デューハースト)を先頭とする娼婦の一団と出会った後、牛泥棒ロング・ヘア(ブルース・ダーン)が現われたが、ウィルはロングをたたきのめし、そして卑怯なロングの背後からの凶弾に到れた。 ロングは牛の群れをひき連れ意気揚々と引きあげていった。いまや父親同然のウィルを殺された少年たちが黙っている筈がなかった。少年たちは、今、大人になろうとしていたのだ。 少年たちは策を練り、反撃を開始した。少年の持つ銃が火を噴く。そして互いに助け合いながら、一人、また一人と悪漢どもを倒していく。 ガキと見くびっていたロング・ヘア一味は全滅、少年たちは無事牛を取り戻したのだ。こうして400マイルの苦難の旅が終わった。その日は少年たちが幼い心と体に別れを告げ、ウィルのようにたくましく人生を生き抜いていく男たちだけの世界に仲間入りする日でもあったのだ。 旅の終わりに本物のカウボーイに成長した少年たちと、ウィルの心の絆を見事に描いた作品。ラブロマンスもない、派手なシーンもない映画だが一見の価値はある。これは子供たちが辿らねばならない青春の記録だろうか。 1971年 アメリカ・カラー 監督 マーク・ライデル 出演 ジョン・ウェイン ロスコー・リー・ブラウン ブルース・ダーン コリーン・デューハースト スリム・ピケンズ ロニー・チャップマン ner チャールズ・タイナー A・マルティネス ブログランキング参加中 応援よろしくお願いします ↓ 人気blogランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.08.28 12:42:34
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