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カテゴリ:アメリカ ・ 喜劇
大都会ニューヨークでヘップバーンが繰り広げる実に小粋でお洒落な映画である。「オードリーは風変わりで、ドラマティックで元気がよく、哀しみをたたえ、息をのむほど美しい。彼女の魅力が最大限に引き出されている」。映画雑誌「アメリカン・フィルム」はこう評している。 その1: ニューヨークの良き時代を象徴するロマンティック・コメディ 夜明け時、人っ子ひとりいない五番街にタクシーが止まる。夜会服を纏って降り立つ一人の女性。一流宝飾店ティファニーのショーウインドウには宝石が煌めいている。女はその瞬きを見つめながら、紙コップでコーヒーをすすり、デニッシュを頬ばる・・・。 この映画「ティファニーで朝食を」は日本人の海外旅行が自由化されていなかった1960年代初頭に作られ、日本人のニューヨークへの憧れを掻き立てた。これで”ティファニー”の名前を頭にインプットされた日本女性も多かったのではなかろうか。 オードリー演ずるコールガールのホリーもまた、5番街の象徴ともいうティファニーの前で朝食をとることをステイタスと信じている地方出の女性だったのだ。 その2: ヘップバーンが演じた”都会の妖精” 主人公ホリーには秘密があった。テキサスの田舎に夫とその連れ子を残し、今はマンハッタンのアパートに愛猫”キャット”と住み、男から小金を巻き上げて暮らすコールガールだったのだ。 だがホリーには暗さは微塵もなく、明るく洗練されたムードは、まさに”都会の妖精”だ。女優としての転換期に差しかかっていたオードリーが成長を見せた作品となったのである。 原作者カポーティはホリー役にはマリリン・モンローをイメージして執筆したという。モンローのいじらしさがホリー役に最適とされたのだ。実現しなかったのはザンネンだ。 その3: 愛し合うためには別れが必要だった 彼女の住む部屋の隣に越してきた作家の卵ポール(ジョージ・ペパード)には、年上の女性パトロンがいる。二人は知り合って好意をもつが、互いの事情のためになかなか愛へと進行しない。二人が結ばれるにはそれぞれ別の愛を清算しなければならないのだ。 「君はね・・・臆病者の意気地なしだ。現実を受け止められないんだ。人間は愛し合う、そして求め合うのさ、幸せを得るために・・・」 土砂降りの雨の中で激しくキスするポールとホリー。 その4: 時代を超えて親しまれる不朽の名曲「ムーン・リヴァー」 「ムーン・リヴァー」の歌声が甘く、切なく響き全編を彩る。作曲は映画音楽の巨匠ヘンリー・マンシーニ。グレン・ミラー楽団のアレンジャー兼ピアニストを経て、本作で映画音楽に進出、150以上の映画音楽を生み出した。 その5: 世界中の女性に夢を売るティファニー宝飾店 「わけもなく恐怖感に襲われるーーそんな時はタクシーに飛び乗り、ティファニーに行くの。あの誇り高き静寂が、安らぎを与えてくれるわ」 ホリーはティファニーのことをこう語るのだ。 ジバンシーのドレスと豪華な宝石に包まれ、女性たちの羨望の的となったヘップバーン。未だ未見の若い女性には是非みておいていただきたいロマンティック・コメディの名作であろう。 1961年 アメリカ・カラー 監督 ブレイク・エドワーズ 出演 オードリー・ヘップバーン ジョージ・ペパード ティファニーヘどうぞ ブログランキングに参加中です 応援よろしくお願いします ↓ 人気blogランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.10.22 12:21:55
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