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テーマ:男優たちの華麗な酒盛り(277)
カテゴリ:タ~ト
トーマス・ミッチェル、彼はアメリカ映画に欠かせぬ名脇役だったと言えようか。ジョン・フォード作品の「駅馬車」で演じた飲んだくれの医者、これは一世一代の名演技だった。
この映画でアカデミー賞を得たことは納得できる。ウイスキー販売人と仲良くなり、駅馬車の中でウイスキーのビンをしっかり抱いている場面なぞ、微笑ましいものであった。 産気づいたルイーズを出産させるため、コーヒーをがぶ飲みし、それでも酔いがさめないと見ると、ウェインがバケツの水を頭からぶっかけるシーンなど、大いに笑わせてくれる。 駅馬車 彼は3,40年代に佳作が多い。「風と共に去りぬ」「ならず者」「西部の王者」「素晴らしき哉、人生!」など数多くの傑作作品に出演している。 50年代には健康に恵まれなかったのも災いして「真昼の決闘」「ポケット一杯の幸福」程度しかめぼしい作品には出ていない。 彼は1892年7月11日、ニュージャージー州エリザベスで生を得た。地元のデイリー・ジャーナルの新聞記者から劇作家となって活躍、ブロードウェイで自作が上演されたのをきっかけに、のちには自ら演出をも手がけた。 フロイド・ディールと組んで何本かの脚本を書き、その中の作品『リトル・アクシデント』が1930年に映画化されたのを機に、脚本家として映画入り、フレドリック・マーチ主演の「わたしの凡て」をはじめ、いくつかの脚本を発表したのち、コロムビア映画社と契約、映画俳優として1936年の「クレイグの妻」でデビューする。 その後も「失はれた地平線」や「ハリケーン」といった大作に印象的な脇役として出演。そして1939年、「駅馬車」の飲んだくれのブーン医師を演じてアカデミー助演男優賞を受賞したのをはじめ、「スミス都へ行く」の新聞記者、「風と共に去りぬ」のヴィヴィアン・リー扮するスカーレット・オハラの父親と脇ながらも重要な役を演じ、俳優としてこの年は当たり年となった。 以降も小柄ながら堂々とした押し出しとアイリッシュ系の味わい深い演技で、映画、舞台、テレビと息の長い活躍を見せた。テレビでは1952年度のエミー賞のベスト・アクター賞を受賞。また刑事コロンボを演じた最初の俳優としても知られている。 1962年の舞台「殺人処方箋」でジョゼフ・コットン演じる犯人を追い詰めるコロンボ刑事を演じ、主役だったコットンを喰ってしまうぐらいの人気ぶりだったという。 1962年12月17日、フィラデルフィアの公演先で倒れ、ガンのためビバリーヒルズの自宅で死去している。享年70歳だった。ウォルター・ブレナンと並びハリウッド黄金時代の名脇役として活躍したが、その私生活はあまり知られていない。 俳優で劇作家でもある。身長160cm、体重72kg。私生活は謎に包まれている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.02.03 13:16:26
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