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カテゴリ:西部劇ア・ラ・カルト
西部劇ア・ラ・カルト(4)
銃声。疾駆する馬の蹄の響き、インディアンの叫び、酒場の床を歩く靴音・・・西部劇にもトーキー時代が訪れた。 この新時代を担うのに最もふさわしいスター、それは誰あろうひょろ長いのっぽの男、ゲーリー・クーパーであった。 クーパーはサイレント末期から活躍をはじめ、トーキー開幕と同時に大スターの座についた。のちにクーパーの好敵手となったジョン・ウェインはこの時期まだB級、C級の西部劇で格闘を演じているに過ぎなかった。 トーキー時代の到来で西部劇に起こった新しい現象、それは作品が大規模になり、スペクタル化したことである。セシル・B・デミル監督の「平原児」「大平原」、そして開拓劇「シマロン」「新天地」など。西部劇はまさに黄金時代を迎えたのである。 ゲーリー・クーパーは1926年、ロナルド・コールマン主演の「夢想の楽園」で、傍役としてスクリーンに初登場した。時にクーパー26歳、映画はまだサイレントだった。 トーキー時代に入ると、クーパーは新しい魅力を発揮しはじめた。6尺豊かの長身で、一見バカかと思われるような風采だったが、拳銃を握ると不思議に水際立った西部男になりきった。 「ヴァージニアン」と「テキサス無宿」がクーパー若き日の快作だ。しかもこの頃から西部劇スターに前例のないロマンティックな香りを漂わせはじめ、「モロッコ」「戦場よさらば」など西部劇以外の作品でも魅力を発揮、天下の二枚目として人気を一身に集めるようになったのである。 ゲーリー・クーパーは西部劇専門のスターではなかったが、カウボーイに扮した時、最も颯爽としていたと云えようか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.01.17 11:24:57
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