『私の中のあなた』のこと。
MY SISTER'S KEEPER2009年 アメリカ監督:ニック・カサヴェテス出演:キャメロン・ディアス(サラ) アビゲイル・ブレスリン(アナ) ソフィア・バジリーヴァ(ケイト) アレック・ボールドウィン(キャンベル) ジェイソン・パトリック(ブライアン) ジョーン・キューザック(デ・サルヴォ判事) 総合評価は★3.8点。「お涙ちょうだい的な都合のいい話には泣かないぞ」と決めてかかって、たまたまハンカチ忘れちゃって臨んだのですが、予想以上の大号泣で、風呂あがりかってくらいさっぱりと、メイク全部落ちました。さすが、息子・カサヴェテス。気持ちよく泣くにはいい作品です。「きみに読む物語」もね。呼吸困難になって大変でした。まあこういうヒューマンドラマって、大体、自分に置き換えて考えたりしますよね。私は姉、私、弟の3人兄弟。妹なので、妹のアナに感情移入しやすいのですが、私だったら腎臓の1つくらいあげるけどな、多少の無理はできない体になっても、姉を救えるなら別にいいや、と思ったりするので、みんながみんな家族大好き、姉大好き、ってわけじゃないだろうけど、親を相手取って裁判なんて、なんだか説得力に欠けるな…、と思っていたら、そういうことなんですね。(なんとなく今はネタばれしたくないので、詳しくは言わない。)これは映画のプロモーションが成功してるな。完全にアビゲイル・ブレスリンのキャスティング勝ち。利発そうで、かつちょっとクールな印象があるから、ああいうこと言いだしても、言いそうだもの、そういうこと。何となく納得できる感じ。精神的には大人、っていうのがすごくにじみ出てる。だからどうして両親を訴えるなんて暴挙に出たのか、すべてがわかった時にはもう手放しで号泣。最後の姉弟3人で手を取るシーンは、なんか自分ちとかぶって。ちゃんと子供たちはそれぞれに問題を抱えつつも、子供たちなりにお互いを深く愛し、団結してる、親に関係なく。ほんとに大変な環境で育ってきたのに、意地になったり怒ったり泣いたりしない分、ひたむきでいじらしくて泣かされる。この作品、「キャメロン・ディアス主演」「キャメロン・ディアスが初の母親役」みたいなものが前面に出ていましたが、キャメロン・ディアスは添え物です。主人公は子供たちだし、いい演技をしているのも子供たち。あ、でも、アレック・ボールドウィンやジョーン・キューザックはやっぱり良かったです。やっぱりね、命の尊厳とか、そういうことを考えさせられます。生き続けるって事だけが大事なのか、大事なものは何なのか。あきらめることがそんなに悪いことなのか。でも一番考えさせられるのは、家族の絆なんだろうな。自己満足じゃなく、どこまでお互いを尊重し見守って、守ってあげられるか、またそうしてもらえるか。印象の強かったシーンとしては、ちょっとお互い坊主のラブシーンはすごいものがあるな。あの恋人役の男の子も透明感のある子で、飄々としながらもそこはかとない「もう長くないんだよね」という空気が悲しく、ひそかに光る演技でしたね。トーマス・デッカーくん、という俳優さんだそうです。それから、キャメロン・ディアスが髪にバリカンを入れるシーン、額からそり始めた顔が落ち武者って感じで、つい笑ってしまいました。にほんブログ村