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2008.02.01
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カテゴリ:映画/戦争・史実
「ニュルンベルク裁判で恐ろしい話は聞きました。600万人のユダヤ人や、人種の違う人々が無残に殺されたと・・・。これらの事実は大変ショックでした。でも私はそれを自分と結びつけられず、安心していたのです。“自分に非はない”“私は何も知らなかった”そう考えていました。でもある日、犠牲者の銘板を見たのです。ソフィー・シヨル。彼女の人生が記されていました。私と同じ年に生まれ、私が総統秘書になった年に処刑されたと。その時、私は気付きました。若かったというのは言い訳にならない。目を見開いていれば気付けたのだと。」


同盟国である日本軍が、真珠湾攻撃を果たした直後の演説で、ヒトラーは次のように日本を大絶賛している。
「我々は戦争に負けるはずがない。我々にはこれまで一度として負けたことのない味方(大日本帝国)が出来たからだ。」と。
しかし、その後ドイツは降伏し、日本も同様の運命を辿った。
ヒトラーは一貫して「ゲルマン民族の優越」と「反ユダヤ主義」を掲げた。
ユダヤ人に対する人種差別を強化し、結果としてそれはユダヤ人迫害につながった。
この問題はここではあまり触れない。
民族主義は、並行して宗教問題にも深く関わっているからだ。

この作品は、1945年4月のベルリン陥落直前の総統地下壕が舞台となっている。
ヒトラーの女性秘書を務めたユンゲの証言をもとに、生々しく表現したドキュメンタリータッチの映画なのだ。
このころのヒトラーはパーキンソン病を患い、思考能力が低下。(認知症が見られたとも言われる)
そのため正常な判断力を欠いていたとされる。
そのあたりの状況をかなり考慮した人物像に仕上がっていて、卓越した役者魂を見せつけられたような気がした。
敗戦が色濃くなり、ヒトラーが最期を悟って側近たちの一人一人に別れのあいさつに至るシーンは、熱いものが込み上げて来た。
観客はヒトラーが憎き独裁者であることも忘れてしまいそうなほど、各人に優しい視線を投げ掛けるのだ。
愛犬を毒殺し、妻のエヴァと自決する件は実際に映像には流れず、発射された銃の音だけが地下壕に響き渡る。
その後の側近たちの淡々粛々とした処置は、実に忠誠的で、ただただ鈍い心の痛みを感じないではいられなかった。

2004年公開
【監督】オリヴァー・ヒルシュビーゲル
【出演】ブルーノ・ガンツ

また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。
See you next time !(^^)





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最終更新日  2008.02.01 20:19:41
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