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吟遊映人 【創作室 Y】

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2008.11.09
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カテゴリ:映画/TVドラマ
「忘れるっていうのは、神が人に与え賜うた素敵な能力だと思うんだけどね。」
「はい?」
「こないだイヤなことを思い出したものだから・・・。」
「その文法に則って言うのならば、忘れずに覚えておくことの方が価値ある能力だと思いますがねぇ。」

本作の副題も含めた正式タイトルは、「相棒ー劇場版ー絶対絶命! 42.195km東京ビッグシティマラソン」である。
テレビでシリーズ放送されているドラマ、例えば「踊る大捜査線」や「HERO」など絶大な人気と視聴率を誇った番組が、後に劇場版となって映画化されることは少なくない。
「相棒」もその中の一つであり、興行的にも大成功を収めた作品である。
主役を演じている水谷豊は、若かりしころ定番となっていたやんちゃな役柄を見事に脱却し、火サスなどの2時間枠のドラマでは知的で大人の落ち着いた演技を披露してくれた。
また、この作品にゲスト出演している役者陣の顔ぶれも錚々たるメンツばかりで豪華の一言。
10000人のエキストラを動員しての撮影も見逃せない。

都内で謎の猟奇殺人事件が発生。
現場にはチェスの棋譜と思われる記号が残されていた。
そんな折、国会議員である片山雛子のオフィスで郵便物爆発事件が起きる。
警視庁特命係の杉下右京と亀山薫は、独自の捜査に乗り出し、謎の猟奇殺人と関連性があることを突き止める。
そして、犯人の標的が東京ビッグシティマラソンに参加するランナー3万人と、15万人の大観衆にあるのではと奔走する。

いろいろと見せ場はあるものの、当管理人が個人的にシビれてしまったのは、やはり西田敏行が犯行の動機を切々と語るシーンだ。
正直、この卓越した演技力に水谷豊はすっかり呑まれていて、犯人役の西田敏行が“愛息子を失った憐れな父親”として視聴者を完全に味方につけてしまったかに思えた。
進行性のスキルス型胃癌であると宣告を受けている犯人役の西田敏行が、「私には時間がないのです・・・!」と、涙ながらに訴える件は思わず目頭が熱くなった。
この作品は、視聴者の期待を裏切らないどんでん返しのあるストーリー展開になっており、非常に興味をそそられるシナリオに完成されていた。

2008年公開
【監督】和泉聖治
【出演】水谷豊、寺脇康文

また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。
See you next time !(^^)





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最終更新日  2008.11.09 18:48:57
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