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2009.03.16
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カテゴリ:映画/歴史・伝記
「レッドクリフ」Part2の公開が近づいた今、少しだけ三国志のおさらいをしようと思う。
我々がいわゆる「三国志」として親しんでいる現代のそれは、14世紀後半に羅貫中によって記された「三国志通俗演義」がベースになっている。
それこそが、広い中国大陸を舞台にした三つの国の物語であり、英雄豪傑たちが覇を競う歴史ドラマなのである。
三国志中、何にも増して鮮烈でしかも雄々しく描かれているのは、武器を取り、戦塵に舞う猛将の姿であろう。
中でも、弱小劉備軍の傘下に名を連ねる五虎大将は、数多の敵軍を震撼させた。
その面々を紹介しよう。

【関羽】・・・劉備と義兄弟の契りを結ぶ。人情厚く、義理堅い。長さ二尺もの顎ひげを携え、重さ八十二斤の大薙刀を自在に操る。

【張飛】・・・関羽と同様、劉備と義兄弟の契りを結ぶ。直情型で気は短いが、涙もろい。長さ一丈八尺の矛を振り回す豪傑。

【趙雲】・・・元は公孫さん(王に賛の字、楽天の対応せず)に仕える。主人の死後、劉備の人徳に絆され、以来傘下に入る。この上もなく忠義の人。

【黄忠】・・・老将だが、弓の名手。元は韓玄に仕えていたが、後に劉備に帰順。

【馬超】・・・西涼の馬騰の子。父を曹操に殺され、その仇を討つため劉備に帰順。美男子として名を馳せる。

「レッドクリフ」Part1では趙雲が敵中へ取って返し、奥方と幼主阿斗(赤ん坊)を救出するシーンがクローズアップされる。
実はこのくだり、吟遊映人が情熱を持ってお伝えしたい名場面なのだ。
曹操軍100万の大軍の中を、赤子を抱えたまま次から次へと押し寄せる敵兵をバッサバッサと斬り倒し、戦塵に舞う猛将趙雲の勇ましさ。
この辺りの表現は、吉川英治による三国志の記述は名文である。

『趙雲の大叱咤に思わず気もすくんだらしく、あっとたじろぐ刹那、槍は一閃に晏明を突き殺して、飛電のごとく駆け去っていた。しかし行く先々、彼の姿は煙の如く起っては散る兵団に囲まれた。馬蹄のあとには、無数の死骸が捨てられ、悍馬絶叫、血は河をなした。』
(「三国志」吉川英治・著より)

この見事な名文に心が躍りはしまいか?
趙雲の神業とも思える超人的な武勇が、劉備の愛息子を救うのである。
この幼主阿斗こそが、後の劉禅なのだ。
「レッドクリフ」でも忠義の人、趙雲の活躍は充分に観て取れる。
どうか、この「武神の剣が修羅の中にひいて見せた愛の虹」をご堪能いただきたい!

また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。
See you next time !(^^)





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最終更新日  2009.03.16 15:56:20
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