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吟遊映人 【創作室 Y】

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2009.05.15
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カテゴリ:映画/TVドラマ
「花岡靖子が殺害を認めました。でも依然として石神は事実を認めていません」
「そうか・・・もし石神が人を愛することを知らないまま生きていたら、罪を犯すこともなかったのかもしれない。あいつはそれほどまで深く人を愛することができたんだ」
「石神は花岡靖子に生かされていたんですね」

今や売れっ子作家の東野圭吾も、過去には文学賞に15回も落選するという辛酸と苦杯を嘗めて来た時代があった。
そんな東野氏にとって小説とは、人生をかけた仕事であり、夢であり、表現舞台であったのかもしれない。
その後、地道な執筆活動が報われ、本作と同名小説である「容疑者Xの献身」で、直木三十五賞を受賞したのである。
この作品は探偵ガリレオシリーズとして、大学で物理学を研究している湯川学が、警察の手に余る難題を論理的に検証し、解決していくというものである。
テレビでもドラマ化され、主人公の湯川学役に福山雅治が抜擢されるなど、高視聴率を獲得した人気番組であった。

花岡靖子とその娘・美里はアパートでつつましく暮らしていた。
ある日、別れた元夫の富樫が突然訪ねて来る。
富樫は、二人の居所を探し当て、どこへ逃げようとも未練がましく付きまとい、復縁を迫った。
そんな中あまりの横暴な態度に、美里は背後から富樫を殴打する。
怒った富樫は美里に対し殴る蹴るの暴力を奮う。
それを見た靖子は、娘を庇おうとしてこたつの電気コードで富樫の首を絞め、殺害してしまうのだった。

弁当屋で朝から晩まで働く靖子に恋をする石神(高校の数学教師)役に堤真一が扮するのだが、ちょっとくたびれた感じで、だが天才的な数学者の雰囲気を漂わせつつ、福山雅治とは対照的な役柄を好演。
また、美人で薄幸な花岡靖子役を松雪泰子が非常に丁寧に演じていたことに驚いた。
以前の固定化された“白鳥麗子”的イメージはすっかり払拭されていた。
読者を惹き付けて止まない原作の魅力を、映画でもそのまま残しつつ、最後は涙を誘うドラマチックな演出に仕上げられていた。

2008年公開
【監督】西谷弘
【出演】福山雅治、堤真一、松雪泰子

また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。
See you next time !(^^)





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最終更新日  2009.05.15 10:24:21
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