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吟遊映人 【創作室 Y】

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2009.08.09
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カテゴリ:映画/歴史・伝記
「風のごとく疾く、林のごとく徐かに。火のごとく侵し、山のごとく動かず」
「戦の嫌いなお前が兵法を?」
「あなたを理解したくて“孫子”を読んだのです」

Part2で重要な鍵となるのが、やはり何と言っても影で支える女性の力であろう。

驚愕したのは、孫権の妹・尚香の活躍である。
いくらじゃじゃ馬で世に知られた姫君とは言え、敵陣である曹操軍の一兵士として潜入し、間者の役割を果たすのだ。
一方、絶世の美女と称された周瑜の妻小喬は、身重の体でありながら無益な戦をやめさせるべく単身で曹操のもとに行く。
この2人の女性の、男顔負けの勇ましさたるやどうだ!
乱世に身を投じ、誰よりも正々堂々とした生き様を見せつけるのだ。
本作「レッドクリフ」は、言わずと知れた中国の歴史書である「三国志」をモチーフとしている。
中でも“赤壁の戦い”のくだりがベースとなっているのだが、周瑜と孔明の知恵比べというよりは、一人一人ができ得る限りの力で戦いの一端を担った、というのがテーマとなっているようだ。

ストーリーに関しては、孫権軍と劉備軍の弱小同盟軍が、大軍を率いる曹操をいかにして討伐するのか、そのプロセスを描いている。
吟遊映人が個人的に気に入っているシーンがいくつかあるものの、特にここは注目して欲しいと思うところがある。
それはやはり、砂塵の舞う中、騎馬隊が押し寄せそれに応戦し、長槍を自在に操り、躍動感に溢れた戦闘をくり広げる場面である。
乾いた大地に血しぶきが上がり、国をかけて闘う兵士たちの呻き声、怒り、鮮やかな騎馬戦に、もはや演技であることを忘れてしまうほどなのだ。
そしてさらにクライマックス、2000隻の船が激しい炎に包まれ、長江の泡と消えてゆくシーン。
それはもう敵も味方もなく、凄惨な死闘なのであるが、ある意味潔さを思わせるほどの気高い魂を感じるのだ。

我々が「レッドクリフ」を観る時、雄大な歴史の重さを感じるのと同時に、一人一人が小さな力を併せ持った時の強大さ、その絆に気付かなければならない。

2009年公開
【監督】ジョン・ウー
【出演】トニー・レオン、金城武

また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。
See you next time !(^^)





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最終更新日  2009.08.09 14:51:40
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