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カテゴリ:映画/SF
本作は余りにも話題になりすぎて、内容よりも“3D”という視覚効果の言葉が一人歩きしてしまったような感がある。 メガホンを取ったのは、言うまでもなく、ジェームズ・キャメロン監督であるが、この人物の凄いのは常に映画を進化させている点である。 映画史上最大のヒットを記録した(後に「アバター」に記録を更新される)「タイタニック」では、大勢の人々を乗せた豪華客船が、一夜にして海の底へ沈没していくというリアルには表現しにくい大掛かりなシーンを成功させたのも、記憶に新しい。 あるいは「ターミネーター2」で完成された液体金属の描写。 あれは衝撃的だった。 ワンカットで液体金属が自在に変化し、別人になりすますという設定なのだ。 それもこれも、やはりCG技術の画期的な発展に寄るものであろう。 キャメロン監督は、その時代の流れを巧みに利用し、映画製作をよりリアルで完成度の高いものへと成長させたのである。 西暦2154年、衛星パンドラが舞台。 パンドラは密林に覆われた未開の星で、青い皮膚と長い尻尾を持つナヴィという種族が生存していた。 パンドラには稀少鉱物であるオンオブタニウムが眠っており、地球人は虎視眈々と採掘することを狙っていた。 人間はパンドラの大気を呼吸することが出来ない。 そこで、人間とナヴィの遺伝子の組み合わせによって作り上げられたアバターという肉体にリンクし、活動するのだった。 本作を観てつくづく感じたのは、やっぱりキャメロン監督は強い女性が好きなのだということである。 強い女性の代名詞とも言えるのが、「エイリアン」シリーズのリプリー役を演じたシガニー・ウィーバー。 今回は科学者として登場しているが、なかなかどうして、屈強な男性の皮肉めいた言動にも怖気づかない。 その他、女性陣はとにかく強い。 メソメソした潮らしいシーンなど皆無に等しい。 「アバター」は、その話題性からもアカデミー賞は堅いとされていたが、9部門にノミネートされるも、「ハート・ロッカー」に敗れている。 奇しくも、メガホンを取ったのはキャメロン監督の元妻であった。 とは言え、「アバター」のおもしろさは、超現実的な世界観と、まるで我が事のように体感できる浮遊感ではなかろうか。 ゴージャスで繊細な特殊効果を駆使した逸品なのだ。 2009年公開 【監督】ジェームズ・キャメロン 【出演】サム・ワーシントン、シガニー・ウィーバー また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。 See you next time !(^^) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.05.05 08:09:06
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