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テーマ:DVD映画鑑賞(13980)
カテゴリ:映画/ヒューマン
「(君が)美人だから」 「(いいえ)高級なお店なのに安物の服を着てるからよ」 「いいかい、人は来た道ばかり気にするが、どこへ向かうかが大切だ」 「あなたはどこへ?」 「望むままに」 ギャング映画は吐いて捨てるほどにあるが、犯罪者をヒーローにまで高められる作品というのは、それほど多くはないだろう。 レクター博士のように、一部の熱狂的なファン層から支持されることはあっても、性別にかかわらずそのキャラの雰囲気、立ち居振る舞い、容姿など全てにおいて「カッコイイ」と評価を受けるのは難しい。 本作「パブリック・エネミーズ」は、アメリカ大恐慌時代に実際にあったことを実写化した作品で、言わばノンフィクションとのこと。 その主人公ジョン・デリンジャーなる銀行強盗を演じたのはジョニー・デップだが、いやはや、あまりのセクシーさに度肝を抜いた。 この代わりの利かない独自の存在感は、ハリウッド・スターと言えどもなかなかお目にかかれるものではない。 元々この役者さんが頭角を現したのは、忘れもしない90年代前半に公開された、「シザーハンズ」で人造人間を演じたのがきっかけである。 ファンタジー色の強いアートハウス系作品を得意とする役者さんかと思いきや、「ギルバート・グレイプ」の出演だ。 無論、シリアス・ヒューマンドラマである。 ところが2000年代に入ってからは、突如「パイレーツ・オブ・カリビアン」である。 この変幻自在ぶりは、ちょっと一筋縄ではいかない、他の追随を許さない“スター”であることの証拠なのだ。 1933年、アメリカ大恐慌時代が舞台。 銀行強盗のジョン・デリンジャーは、銀行から金を奪っても、弱者からは一銭も盗らないという男の美学を掲げた犯罪者であった。 ある日、シカゴのバーで酒を飲んでいると、神秘的な美女に一目惚れをする。 彼女の名前はビリー。 ビリーもまたジョンの強引で危険な愛に惹かれてゆく。 一方、FBIは敏腕捜査官を配置し、ジョンを捕まえるべくその捜査網を縮めていくのだった。 この作品は、脚本が実に巧妙でドラマチックに仕上げられていると思った。 セリフの一つ一つに無駄がなく、役者の体現的な動きと心の微妙な変化を見事に言い表したものである。 また、役者陣も素晴らしい。 壮絶な撃ち合いの後でも、画面が汚れることなく映像が優雅で刺激的に流れてゆく。 全体を通して、見事な演出と脚本と、そして音楽であった。 2009年公開 【監督】マイケル・マン 【出演】ジョニー・デップ、マリオン・コティヤール、クリスチャン・ベール また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。 See you next time !(^^) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.06.21 11:54:42
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