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テーマ:DVD映画鑑賞(14194)
カテゴリ:映画/TVドラマ
「・・・ですね、署長。見事な逃げっぷり!」 今月の初めに、JR浜松駅前バスターミナルにおいて、29歳の男性によるバスジャックが発生した。 ナイフを持っての犯行だったが、ケガ人もなかったためさほど大きくは取り上げられなかった。 本作「踊る大捜査線3」においても、刑事ドラマではごくありがちなバスジャックの場面が出て来るのだが、今やドラマの世界ではなく、日常的な犯罪としてニュースを賑わすのだ。 浜松で逮捕されたバスジャック犯の供述によれば、住む家もなく、仕事もなく、所持金はわずか¥640で、「憂さばらしをしたかった。刑務所に入りたかった」とのこと。 こんな短絡的な動機で犯行に及ぶとは、もう世も末だ、と思ってしまう。 「踊る大捜査線3」では、今回ドラマにおける過去の犯罪者たちがそれぞれチョイ役として登場しており、亡くなったいかりや長介の演じた和久刑事まで、声だけの出演として挿入されていた。 さらに、交渉課の真下役を演じたユースケ・サンタマリアも出演しているので、昨年公開の邦画としては、実に豪華な顔ぶれと言えるだろう。 刑事課強行犯係・係長の青島は、引っ越し対策本部長として、皆を指揮することになった。 というのも、湾岸署は新湾岸署へと移転が決まっていた。 そんな中、引っ越しのドサクサに紛れ、新湾岸署の武器庫から拳銃を3丁盗まれてしまう。 一方、青島は健診の結果を、急遽医師から告げられたところ、肺に白い影があるので精密検査が必要とのことだった。 青島は一時的にふさぎ込んでしまうが、亡くなった和久刑事の言葉を思い出し、“死ぬ気で”事件と対峙するのだった。 本作で思わず胸を打たれるシーンと言えば、青島が己の寿命がもう長くはないと思い込み、死ぬ気で物事に当たれば何も恐いものなどないのだと、ますます張り切るところだ。 この健診の結果は、後で誤診であることが分かるのだが、青島ほどの明るく陽気で熱血漢というキャラクターでさえ、医師からの宣告にはふさぎ込んでしまうのだ。 人間は、いつかは死ぬ運命にある定めを知ってはいても、実際、まともに直面した時、当然のことながら尋常ではいられない。 我々は、生きている間に様々な艱難辛苦と立ち向かい、また、それを乗り越えていかねばならない。 ドラマのように、“死ぬ気で”物事に当たるなどということが、果たして出来るかどうかは分からないが、しがみ付いてでも生きていくことの大切さを教えられた。 本作は、青島というキャラクターの、底抜けに前向きな思考に救われる作品であった。 2010年公開 【監督】本広克行 【出演】織田裕二、深津絵里、小泉今日子 また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。 See you next time !(^^) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.03.17 08:48:56
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