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カテゴリ:読書案内
思わず手にした植草甚一! 恥ずかしながらすでに忘却の彼方にあった「植草甚一」の名前を毎日新聞のコラム「余録」で目にしました。 いや~懐かしい(^^) まずはご一読ください。 懐かしくて思わず手にした人も多かろう。映画・ジャズの評論や欧米文学の紹介で知られる植草甚一(じんいち)さんのコラム集「ぼくは散歩と雑学がすき」が初めて文庫(筑摩書房)になった。行きつけの東京・神田神保町(じんぼうちょう)の書店では文庫部門で先週売り上げ1位だった。 単行本が出たのは1970年。後に「サブカルチャーの元祖」と呼ばれることになる植草さんは既に還暦を過ぎていたが、「ぼくは目をまるくしてしまったんだ」といった軽妙な文体は今読み返しても新鮮だ。 紹介しているのはスタンリー・クブリック監督(植草さんはこう表記した)の映画「2001年宇宙の旅」やフィリップ・ロスの新作小説など。「(最近は)金には不自由しないニューヨークのインテリ・クラスが、マリファナ・パーティーをやるようになった」等々の情報も満載だ。 世界を結ぶネット社会が来るとは想像もできなかった時代。この明治生まれの不思議なおじさんを通じて若者たちはまだ遠かったアメリカを知った。「政治の季節」が終わり始めるころの空気を今の若者が知るのにも格好の本だろう。 同書出版から9年後、植草さんは亡くなった。財はなさなかったが、集めた4000枚ものレコードをタモリさんが買い取ったという「ちょっといい話」も残る。 終戦直後、東京・渋谷に「恋文(こいぶみ)横丁」という一角があり、植草さんは洋書を求めて横丁の書店によく通ったそうだ。渋谷はその後「サブカル」の拠点となり、今また再開発が進む。今日は日曜。渋谷の街を久々に散歩してみようか。「最近の若造は」とか説教はたれず、植草さんのように新しい何かを探しに。 そういうことで早速、本屋で文庫を手にしました♪ 正確に言うと「邂逅」ではないでの『思わず手にした』のではありません(汗) それでも、何か突き上げるような衝動で、知ってはいても思わず手にしてしまいましたからぁ(笑) そしてページをめくるうちに、お世話になった恩師にふたたび薫陶をいただいているような気分になり、満たされた気持ちで胸がいっぱいになりました。 それにつけても、こういうコラムを書かせたら毎日新聞はピカイチですねぇ~ 往時を思わせるところは、やっぱり毎日のDNAが受け継がれているのでしょうか(^^) おおいに心意気を感じさせるコラムなのでありました。 そしてまた筑摩書房も出版社の気概を感じますよねぇ~ 売れる売れないは別にして、残さなくてはいけないものをちゃんと心得ていらっしゃいますね! 本当に立派だと思います。 両社の、高い志に謹んで敬意を表します。 出版不況や新聞不読を言われますが、こういう志をもったところがあるかぎり、心配御無用でしょう(^^) 一冊の文庫を手にして思いました。 J・J氏(植草甚一)のような発信できる人がいて、 それを形にするところ(出版社)があり、 そしてまたそれを巷に伝えるところ(新聞社)があり、 そうやって文化は出来上がってゆくのでしょうね。 J・J氏と毎日新聞と筑摩書房に感謝(^人^) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013.03.26 06:32:28
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