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カテゴリ:竜馬とゆく
【竜馬とゆく(竜馬がゆく/江戸へ)2】
『眼の前でにこにこ笑っている青年が、幕府をふるえあがらせるほどの大立者になろうとは夢にも予想できない。 ただお登勢はおもった。 「なんと可愛らしい若者だろう」 無愛想なくせに、肌からにおってくるような愛嬌があった。』 寺田屋の侠女 お登勢との縁はここからはじまる。 竜馬の愛嬌は『肌からにおってくるよう』であったという。つまりこうだ。 『竜馬には人を慕い寄らせる香りのようなものがある』 ~お田鶴さま~ 竜馬の魅力が漂ってくる。それは天性のものか、おおらかな家庭で築かれたものか、いずれにしても竜馬の徳のひとつであろう。 だからごく自然に、知らず知らずのうちに周りは竜馬に魅せられていくのだ。 そしてこれもまた竜馬の魅力、はじめて富士山を見たときの感想である。 『塩見坂の海と山と天が、自分の限りない前途を祝福してくれているように思えるのである。』 『血の気の熱いころにこの風景をみて感じぬ人間は、どれほど才があっても、ろくなやつにはなるまい。』 『一瞬でもこの絶景をみて心のうちがわくわくする人間と、そうでない人間とはちがう。』 こういう感情は必ず他人に伝播する。薩摩の西郷が慕われたのもその所以であろう。 『りくつよりも、気分なのだ。』 ~千葉道場~ そういうことなのだ! ときに竜馬はこの先、何度もこの風景を目にすることになるのだが、きっとここを通るたびに初心を思い出しては、血潮をほとばらせたことであろう。 かつてベストセラーになった藤原正彦氏の「国家の品格」の中で藤原氏は日本人の情緒を、 「自然に対する繊細な感受性」 を言い表している。 竜馬はその感受性が人一倍豊富だったのであろう。 なお藤原氏は、その情緒こそを国家の品格をなす最も重要な要素として挙げている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013.06.19 06:43:21
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