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吟遊映人 【創作室 Y】

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2014.02.09
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カテゴリ:映画/パニック
【ノウイング】
20130218

「この暑さは収まらない。もっと悪化する・・・どんどん。必要なものを持って母さんたちと今夜地下に隠れるんだ。下水でもいい。なるべく深い所に、できるだけ早く・・・!」
「それで熱から身を守れるのか?」
「分からないけど・・・とにかくそうしないと・・・」
「ジョン、悪いが私はどこへも行かない。せっかくだが、これが私の最期ならそれまでだ。神のお召しに従うよ」


この作品についての感想に入る前に、まずは聖書の一節をご紹介したい。

『すべての生きもの、すべての肉なるものの中から、それぞれ二匹ずつ箱舟に連れて入り、あなたといっしょに生き残るようにしなさい。それらは、雄と雌でなければならない』
(創世記6章19節)

本作「ノウイング」は、ご存じのようにキリスト教における聖書からヒントを得たストーリー展開になっている。
人類はすでに何千年も昔から荒廃した世界を憂い、終末思想を抱いて来た。
物事を正すにはまず滅び、そして再生する。
つまり、リセットすることが大切なのだと古代から考えられていたのだ。
「ノウイング」もおそらく、テーマはそのあたりにあるのではなかろうか。

マサチューセッツ工科大学で宇宙物理学を教えているジョンは、息子ケレイブの通う小学校の創立記念日のセレモニーに立ち会う。
注目は、50年前の児童たちが埋めたタイムカプセルを披露するというものだった。
大勢の子どもたちがもらった手紙には、夢のある絵などが描かれていたが、ケレイブがもらった手紙だけにはびっしりと数字が羅列していた。
ジョンはその不思議な手紙に目を留め、その数字には何かの法則があるのではと調査する。
すると、その数字の意味するものが、過去起きた大惨事の日付と犠牲者の数であることが判明するのだった。

本作「ノウイング」の注目すべき点は、やはり何と言ってもその壮大なスケールのCG効果であろう。
目の前に不時着した航空機の圧倒的な臨場感と言ったら、正に息を呑むほどであった。

爆発した機内から火達磨になってよろよろと出て来る人影には、思わず目を覆ってしまった。
また、ラストのアメリカ本土が火の海となって消滅していくシーンは圧巻。
どうだこれでもかと言わんばかりの特殊効果であった。
救われたのは、聖書中にあるようにノアの箱舟のごとく人類の選ばれし者(作中ではケレイブとアビーの二人)が、U.F.Oによって地球を脱出するというくだりである。
これにより、人類は絶滅を免れたという結びはささやかでもホッとさせられる。
やはり娯楽映画たるものこれぐらいのスケールがなければ面白くないだろうと思わせるほど、実に見事なストーリー展開とCG技術を駆使した大作であった。

2009年公開
【監督】アレックス・プロヤス
【出演】ニコラス・ケイジ

20130124aisatsu





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最終更新日  2014.02.09 05:33:30
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