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カテゴリ:映画/アニメ
【横山光輝「三国志」第二巻】
「俺の言うことは正しい。俺の為すことも正しい。俺が天下に背こうとも、天下の人間が俺に背くことは許さぬ!」 もともと三国志のような軍記物語は、勇ましい武将の姿にあこがれる少年らに絶大な人気を誇った。 馬上の英雄・豪傑は、いつの世にもヒーローに違いないからだ。 とはいえ、正史三国志という本来のオリジナルは、なるべく史実に基づいた内容となっているため、まるでおもしろみはない。 現在、我々が読み親しんでいるのは、唐時代の羅貫中が記した『三国志演義』という、オリジナルから派生したものである。 これが今に伝わって様々な脚色を伴い、さらなる歴史大作ロマンとなったのだ。 アニメ三国志の原作者である横山光輝もこのスタイルに倣い、全60巻という大作を仕上げている。(文庫本は全30巻) 最近ではゲーム化もされ、これまでは専ら少年向けの作品だったにもかかわらず、女子にも人気を博している。 「歴女」という存在が際立つようになったのもこの頃で、登場人物のイケメンキャラにアイドル性を見出した女子たちが夢中になったのだ。 いずれにしてもこれまで女子たちから敬遠されて来た少年向け歴史バトル漫画が、一気に射程内に入って来たのは喜ばしいことであろう。 さて、三国志第二巻であるが、次の四話から成っている。 第5話 十常侍の陰謀 第6話 名馬・赤兎馬 第7話 暴虐将軍・董卓 第8話 乱世の奸雄 第一巻では義兄弟の契りを結ぶ劉備・関羽・張飛の主要キャラの登場で始まったが、第二巻ではあまり登場しない。 代わって登場するのが、とんでもなく悪名の高い董卓と、後に劉備のライバルとなる乱世の奸雄・曹操が活躍する。 吉川英治の三国志では、董卓の風貌をかなりの巨漢に描いており、肥満体ゆえ、死後はその屍から体内の脂肪がいつまでも滲み出ていたというからスゴイ。 よっぽどの贅沢三昧な生活を送っていたことがわかる。(アニメではスマートに描かれている。) ストーリーはこうだ。 霊帝が病死したあと、弁皇子が帝位に就く。 だが弁皇子は愚鈍で、だれが見てもまるで帝位に相応しくない人物であった。 勢力を伸ばす董卓は、朝廷に乗り込み、弁皇子を廃し、代わりに協皇子を帝位に就けさせることに成功する。 董卓の参謀である李儒は、後顧の憂いを失くすためにも弁皇子とその母である何太后を暗殺した方が良いと進言し、董卓もそれに賛同。 結果、霊帝の妻である何太后と、その長子である弁皇子を殺害する。 一方、後漢随一の武勇を誇る武将・呂布は、丁原に仕えていた。 董卓は丁原と犬猿の仲だったため、目障りな丁原をどうにかしたいとは思いつつも、いつもその後ろに控えている呂布を恐れ、手も足も出せずにいた。 そこで李儒が一計を案じ、呂布を寝返りさせ、丁原を殺害させる。 呂布は欲に溺れ、大金や名馬・赤兎馬と引き換えに、恩ある主人を裏切ったのだ。 こうして董卓は、部下に呂布を引き入れることに成功し、ますます勢いづくのであった。 アニメなので、子どもも見るであろうことを考えてか、董卓の悪行が軽く流されているようにも感じた。 もっと赤裸々に董卓の悪事を描いて、それに視聴者サイドが不満を募らせるプロセスがあっても良いような気がした。 名門エリートのニオイをプンプンさせながらカッコ良く登場する曹操は、ここではまだ悪役として描かれておらず、半ばホッとした。 他作品では、曹操をメチャクチャに、それも極悪非道に描いているものもあるが、そういう演出はいかがなものかと思う。 第二巻では、とにかく暴虐の限りを尽くす董卓と、一騎当千の武勇を誇る呂布の動向に注目してみたい。 ますます第三巻が楽しみだ。 【発売】2003年 【監督】奥田誠治ほか 【声の出演】大友龍三郎、矢尾一樹 ※ご参考 横山光輝「三国志」の第一巻は コチラ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016.05.01 07:13:36
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