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2016.05.15
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カテゴリ:映画/アニメ
【横山光輝「三国志」第四巻】
20160515

「董卓と呂布の仲を避けばよろしいのでしょ? そのお役目、この私にお任せ下さいませ。女には女の武器がございます・・・!」

古来より、女性は政略的に利用されることが多々あった。
現代なら人権無視と糾弾されてしまうようなことも、昔は当然のこととして問題にはならなかったのだ。
いかに女性の地位というものが低かったかがわかる。
アニメ三国志では、絶世の美女と謳われた貂蝉が、体を張って2人の男を陥れるという展開が山場となっている。
小説でもアニメでも、貂蝉は董卓の暴政に苦悩する養父に同情し、その身を捧げて恩返しをしようとする美談となっている。
だが、このくだりをよくよく掘り下げてみると、女性としての若さと美しい容姿が利用されたに過ぎないことがわかる。
その証拠に、貂蝉は自分の役目が終わったあとは、さっさと自死を選んでいるのだ。
本人が望んだこととは言え、生きて地位や名誉、財産を得るというメリットが一切ないことには、どう考えても乱世の悲劇でしかない。

三国志第四巻は、次の4話から成っている。

第13話 激動の獅子たち
第14話 乱世の美女(前編)
第15話 乱世の美女(後編)
第16話 宿敵! 二人の英雄

第13話は、第一巻~第三巻までのダイジェストとなっていて、視聴者の思考を軽く整理させようとする配慮が見られる。
なにしろ三国志というドラマには、数限りない登場人物が現われては消え、消えたかと思ったら再び現れたりするのだから、初学者は混乱してしまう。
そして見どころは、やはり何と言っても第14話と第15話の乱世の美女 前・後編であろう。

あらすじはこうだ。
董卓の暴政にほとほと手を焼いていた王允は、どうすることもできず、ただただ国家の危機を憂えていた。
そのようすを見ていた養女・貂蝉は、義父・王允の苦悩を知り、何とかして役に立ちたいと望んでいた。
董卓には策士である李儒と、天下随一の武勇を誇る呂布がつき従っているため、手も足も出せない。
董卓と呂布が仲たがいでもしない限り、いつまでたっても董卓を討つことはできない。
そこで貂蝉は一計を案じる。
女の武器を利用し、色仕掛けで呂布に近づき、また一方で董卓にも近づく。
嫉妬に狂った呂布と董卓を仲たがいさせるというものだった。
王允は、貂蝉にとって命懸けの計略になることから、最後まで賛成できずにいたが、結局、背に腹はかえられず、その使命を貂蝉に託すのであった。

あれだけ暴虐の限りを尽くした董卓も、第15話では王允の計略に引っかかり、暗殺されてしまう。
短い栄華となった。
私はこのくだりを読むにつけ、いつも思うのは、色欲というものは何と恐ろしいものかということだ。
たかだか女性一人に大の男が振り回されてしまうのだから。
おそらく本人も、「女ごときにうつつをぬかす己の弱さ」を自覚しているに違いない。
だが、どうすることもできない。
底なし沼に足をとられていくように、どっぷりと色欲に溺れてしまうのだ。
世の男性のほとんどが美人に目のないことは仕方がない。
とはいえ、くれぐれもご用心を。(笑)
実は、女性は弱き者などではなく、魔物かもしれない、、、

【発売】2003年
【監督】奥田誠治ほか
【声の出演】石森達幸、折笠愛


※ご参考
横山光輝「三国志」の第一巻は
20160425
コチラ

第二巻は
20160501
コチラ

第三巻は
20160508
コチラ



20130124aisatsu





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最終更新日  2016.05.15 06:50:45
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