幕張本郷の小さなフレンチレストラン   サンク・オ・ピエのオーナーシェフ、中村雅信の日記ページ

2012/07/05(木)08:30

Rtatouille Nicoise ラタトゥイイユ・ニソワーズ

 自家菜園の茄子とピーマンが取れ始めたので、今シーズン初のラタトゥイユを作りました。いつもラタトゥイユを作る鍋は決まっていまして、肉厚ステンレス製で直径30センチ深さ10センチの物で、かなり重いです。多分4~5キロはあるでしょうね。ラタトゥイユは弱火の調理なので、ガス台プラックの端のほうしか使いません。まず、オリーヴオイルでニンニクのみじん切りを香りが立つくらいに炒めます。次に新玉ねぎのコンカッセ(粗切り)を入れて、ドライハーブ、(ローリエ1枚、マジョラムが多め、バジル、オレガノは少し、タイムはほんの少し)入れます。ラタトゥイユはやはりマジョラムの香りがやや勝っているのが南仏風だと思います。南仏のワイン、コート・デュ・ローヌの赤ワインやプロヴァンスの赤ワインや白ワインの中には、マジョラムの香りを感じるものが多いんです。だからマッチングがよいわけ。 玉ねぎに軽く塩をしたら蓋を閉めてスエします。野菜の水分で汗をかかせるような弱火の火入れですね。5~6分おきに蓋をあけてかき回します。その時にペーパータオルで蓋についた水分を取ってやります。こうすることで、水っぽくない凝縮感のある味わいになります。煮詰まって濃くなるということもありますが、初めから余計な水分を排除しておけば必要以上に煮込む事もないわけですからね。ラタトゥイユは、野菜のごった煮ですから柔らかく煮込むんですが、煮すぎてグタグタなのはいただけませんから、、、。野菜だけの料理ですから、玉ねぎやニンニクのうま味を目いっぱい引き出さねばなりません。特に玉ねぎの甘味が命と言ってもいい料理ですから、しっかりゆっくり火を通して、透明になるくらい火を入れて甘みを引き出します。 赤いパプリカを3個、黄色のパプリカを3個、自家菜園のピーマンを6個か7個くらい。軽く塩をしてオリーブオイルで炒めます。野菜の量ですが、パプリカとピーマンと見た目同じくらいの量のズッキーニと同じくらいの茄子を使います。いつも同じサイズのバットを三つ用意して、だいたい同じくらいの量の野菜を切りそろえます。 黄色と緑のズッキーニ。これは塩を少し強めに振って炒めます。塩が多めなのは水分を出したいからです。ズッキーニはかなりの水分を持っていますから、水分を出すために多めに塩を振ってから炒めます。炒めているとどんどん水気が出てきます。ある程度火が通ったら、ざるに上げて水を切ります。ズッキーニから出た水分はたいして旨味があるわけではないので、この水分は捨ててしまいます。それから、畑のズッキーニは、市販のものより大きめなので、種の部分は取り除いたほうがよけいな水分が出なくて済みます。ズッキーニは縦に割ってからスプーンで、種を取ってあります。市販の細いズッキーニならこれはやらなくても大丈夫です。 茄子は、まだらに皮を剥いてやはり軽く塩を振ってからオリーヴオイルで炒めます。茄子はそれほど水分が多くないのでざるに上げなくても良いです。 一通り野菜を鍋に仕込んだところ。これに蓋をしてゆっくり火を入れてゆきます。 トマトコンサントレ(トマトペースト)とサフランを入れて煮込んでいきます。 出来上がりはこんな感じです。余分な水気がなくて凝縮感がたっぷり!の美味しいラタトゥイユができました。これを一晩冷やすと美味しくなります。この時期、自家菜園のサラダ用の葉物がほとんど無くなってくるので、ラタトゥイユやピクルスがサラダの代わりになります。毎年ラタトゥイユを4回か5回作ると夏が終わります。   

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