幕張本郷の小さなフレンチレストラン   サンク・オ・ピエのオーナーシェフ、中村雅信の日記ページ

2015/08/31(月)12:47

先週末のワイン会

 さかもとこーひーの坂本さんも参加するいつものK氏のワイン会、今回はカリホルニアのゴールデンアイのワインを中心に、、、。 まずはシャンパーニュのギィ・シャルルマーニュのブラン・ド・ブランには、、 三陸産の生牡蠣之シャンパーニュ・ヴィネガー風味と水茄子とモツァレラチーズにときめき鶏の冷製コンソメのトマト風味。シャルドネ100%のシャンパーニュには生牡蠣がぴったり!なぜかというと美味しいシャルドネには石灰質の土壌が必須なんですが、石灰質の土壌のもとになったのは古代の牡蠣ガラが堆積したものなんですね。つまり、シャルドネのワインには牡蠣由来のミネラル分が含まれているわけです。太古の牡蠣の成分と新鮮な生牡蠣との出会いという壮大なマリアージュですよ。ホワイトバルサミコ風味の水茄子とモツァレラチーズやトマト風味と鳥の旨味たっぷりの冷たいコンソメもシャンパーニュに合いますね!なんとも楽しいスタートでしょう? 続くワインは、ゲヴェルツトラミネールの辛口。これにはときめき鶏のレバーのフォンダン仕立てにドライイチジクとドライプルーンのシードルヴィネガー煮込みを添えて、エキゾチックなロングペッパーを挽きかけてあります。ドライフルーツにはアニスとクローヴの香りも、、。フルーツの甘酸っぱさ、スパイスの香り、レバーのフォンダンの滑らかな旨味が混然一体となってゲヴェルツトラミネールと最高の相性です。 続くは、ピノノワールのロゼワイン。これにはトスカーナ産の生ハムとラタトゥイユや自家製ドライトマト。ほんのり甘味があるロゼは生ハムの塩気に良く合います。それから、うちのラタトゥイユにはサフランを使ってあるので、華やかな香りがワインに良く合います。 ピノノワールの赤ワイン2本には、中華スパイスの五香粉(ウーシャンフェン)の香りを纏わせたシャラン産の窒息鴨にフォアグラも添えて、ソースは肉汁と合わせて煮詰めたバルサミコにエクストラヴァージンココナッツオイルを合わせたもの。カリホルニアのピノノワールというと私にとっては、少し過剰なイメージがあるんです。つまり、ブルゴーニュのピノと比べるとどうしてもゴージャス過ぎるというイメージ。今回のワインは有名なカレラのジャンセンほどゴージャスではないのですが、ブルゴーニュにはない香りの要素やほのかな甘味もあって、中華スパイスとココナッツオイルの香りが良く合います。フォアグラのソテーの下には茄子のガレット。このガレットの生地はクレープ生地のような感じにナツメグとセロリソルトを加えてあるのでそれもまたカリホルニアピノの華やかな香りに合いますね。 ソーテルヌタイプのソーヴィニヨンブランの貴腐ワインには、神戸のサマ-シュから取り寄せたブルーベリー入りライ麦パンと胡桃とレーズン入りのライ麦パンのコショウ風味の2種類にロックフォールチーズとクリームチーズを練り合わせたものをカナッペにしました。貴腐ワインとブルーチーズはもう鉄板の組み合わせですからね!さらにパンの美味しさがさらに引き立てます。もう言う事無し! デザートは、自家菜園のブルーベリーを使ったソルベとパウンドケーキ。これには、サンク・オ・ピエ8月9月のコース用にさかもとこーひーにブレンドしていただいたこーひーとマリアージュ。そして最後の〆のこーひーにさかもとこーひー深煎りコスタリカ。これは、さかもとこーひーの深煎りの新境地ですね。 深煎りこーひーというと一般的にはフレンチローストやイタリアンローストといった、脂光りする感じの豆を連想しますが、坂本さんのコスタリカは脂が全く出ていません。豆の芯まできっちり焼き込んであるのに全く焦げて無いんですね。ですから、いやな苦みが無くビターさはあるのにとてもクリーン。飲み干した後のカップからは、見事に上等なシガーの香りがしました。 私の場合、ワイン会の時にはワインに合わせて料理の味をデザインします。香りの要素味わいのバランス、特にワインの酸味や甘味、色合いのニュアンスなどなど考慮して料理の味わいを考えるんです。もちろん、フランス料理の長い歴史から編み出された数々の定番の組み合わせもありますが、実際には一から構築することが多いですね。 私にとってのワインとは、そういう意味で食べたい料理を連想させてくれるのが良いワインで、個性が強すぎたり味わいのキャラクターがたち過ぎているワインは、あまり料理に合わせにくいので好きではありません。その点このワイン会はいつも趣味の良いワインが出品されるので料理の考えるのも楽しいですね。

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