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テーマ:v 花粉症 v(1204)
カテゴリ:科学雑学
そろそろ花粉症のシーズンですが、今年は十数年ぶりに大量の花粉が飛ぶようですね。
僕はおそらく花粉症ではないがアレルギー体質なので、この時期多少は過ごしづらいです。 母はひどい花粉症で、「あー、むずむずする!!」と、鼻をくちくちとかいていたのを思い出します。 花粉症はアレルギーの一種です。 アレルギーと言うのは、もともと自分の体の中にあってはいけないものが不法侵入してきたときに、 それをからだの中で悪さしないようにしてしまうはたらき(免疫システム)が過敏にでてしまうことが原因です。 実は花粉症やアレルギーと、風邪を治そうとする体のはたらきとまったく同じことなんですよ。 風邪を引くと熱が、鼻水が、くしゃみが出ますわな。基本的にはあれと一緒。 ただ、風邪にかかって熱が出るのはからだのなかに入ったウィルスや細菌を殺すためという、 まあ正当な?理由があるのだけれど、 (だから風邪の初期に無理やり熱を下げるのはあまりよろしいことではないようですね。) 花粉に対するアレルギー反応は、人間にとって少々邪魔なものです。 なにもそこまで反応しなくてもいいのに…ということ。 身体の対応と自分の考えが一致していないのですね。 飛んできた花粉は鼻の奥に入り、鼻の粘膜にくっつきます。 異物が身体に侵入してきたのを、体の門番(「マクロファージ」という細胞です)が見つけて、うぞうぞとやってきて花粉をパクッと食べてしまいます! 門番細胞は、「花粉という邪魔なものがやってきた」という情報を体の伝令(「B細胞」という)に伝えます。 伝令はそれを知ると“花粉専用の矢”を体中に放ちます。この矢、「抗体」は、身体の中に花粉を見つけると、すみやかにそれを封殺する役割があります。 と、ここまでならまだ問題ないのですが… この矢が体中にどのくらい見つかるかを監視する役(「肥満細胞、マスト細胞」といいます。別に太っている人に多いわけではない…)の細胞がいます。 この監視役は花粉との戦況がどれくらい激しいかを監視しているのですよ。 コイツがやっかいなことをしてくれます。 この監視役は矢が落ちている状況を何年も監視し続け、 矢を見つけるのがある回数(人によって異なります)に達すると、「花粉は何度も侵入してくる!新たな対策を採らねば!」と判断し、さらに強力な花粉撃退作戦を展開するよう身体に命令します。 監視役細胞はヒスタミンという物質を体中に分泌し、これが分泌されるのが命令の代わりです。 ヒスタミンが分泌されるのを感じると、人は目のかゆみやくしゃみを引き起こされるのです。 確かにくしゃみをすると花粉は鼻の奥から吹き飛ばされるのですが、いかんせん、その程度がひどすぎるのが問題で、人にとってはうっとおしいだけです。 そこまでしなくても花粉にそんなに害はないのですが、身体は「また来やがったこの野郎!」と、過敏に対応するのです。 人によって花粉症の出る出ない、程度がひどい、の違いはこういうシステムの敏感さが人によって違うせいです。 これを何かの薬か予防で防ぐのが難しいのは、本来はアレルギーや花粉症が身体を護るための仕組みだからです。 まさか、子供(花粉)がいたずらするから、城の門番も城壁もとっぱらってしまえ!という訳にはいきませんわな。 そんなことすると、簡単に敵国(病気)に滅ぼされてしまうでしょうから。 何事もやりすぎは困る、といったところでしょうか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
February 1, 2005 01:42:43 PM
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