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April 3, 2005
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カテゴリ:カテゴリ未分類
今日は少し肌寒さを感じるけど、春めいた陽気がじわじわと身体を覆ってくるので、
とっても幸せな気分になりました。

もうそろそろ研究室配属になって忙しくなるだろうから、
溜まっている課題を少しでもやろうと思っていたけれど、
こんな気分のいい日に机に向かうのもなんか勿体無いし、寝すぎて頭痛いし…

ということで、外で日向ぼっこしながら読書してみよう!と思い立ちました。
なんて贅沢な時間の使い方。もうお仕事始まっている方、申し訳なし!


んで、買いだめしておいた小説を読むことに。それは…

博士の愛した数式 ( 著者: 小川洋子 | 出版社: 新潮社 )博士の愛した数式 ( 著者: 小川洋子 | 出版社: 新潮社 )

先輩が読んでいる、という話を聞いて、ずいぶん前に手に入れておいたのですが、今まで読む気が起こらなくて。
こういう『読みだめ』をしたのは初めてでしたね。

春風と寒風の入り混じったような空気の中で、少し身をすくませながらで読んでた。


読む前は、『80分しか記憶が続かない』という設定をフルに使った話なのかなー、と思いましたが…

あくまで博士と家政婦、それとその息子の交流というほのぼのスタンスだったと思います。
無理やりに胸を穿つほどの衝撃や事件に感動を盛り込む、というのではなく、
本当にゆったりと。

途中で、「なぜ80分の記憶障害という必ずしも要らないような設定を持ち込んだのか?」と思いましたが、
この博士との暮らしの緩やかさを描き出すためなのかもしれませんね。
この設定をもっと掘り下げても面白いのに、とも思いましたが、小説の感じが全く変わってしまうかな…


想像をめぐらす伏線を張り出したりはするけれど、それで何かを明らかにするわけでも無し。ただゆったりと。
行間もちゃんとあると思います。


博士の記憶障害から来る、あるいはもともとの、浮世離れした風体、
それであっても子供というものに接する時の温かい気持ちと穏やかで謙虚な気質、
そして数学、数字というものに対する謙虚で忠実な、そして深い敬愛とが、
真実というものを見通す博士の遠くを眺めるような目線に乗せられているような…
なんとも暖かい想いを抱かせます。


難しい数学の話はまったく出てきません。
虚数i、素数、友愛数、フェルマーの定理、オイラーの定理(eのiΠ乗+1=0)などが出てきますが、内容にはあんまり触れませんし。
描かれているのはただ、
数学という秩序の中に見える、我々を超えるところにある真実の美しさ、
それを見つけることの、探ることの興奮、驚きに“収斂”されていると言っていいでしょう。


数学って難しいので、僕大嫌いなんですけどね。
高校までは何とか何とかやってました。
理数系の癖に、高校入試では100点中10点ぐらい、大学入試でも必要な点数の半分以下、
足りない得点は国語と英語や社会で補っていたという…
ホンマに理系かいな?

直感的に考えるタチなので、論理的なのは苦手なのかも…




本の感想って難しいですね。
僕は話の内容を理解することも、裏にある著者の想いを解することも苦手で、
勝手に思うままの解釈を打ち付けてしまいます。

まあでも、内容を客観的に評価したところで、楽しめるものは何もないと思っているので、
自分勝手に読んでるけど。


この本、最近、日本数学会で数学の面白さを伝える出版物として、
賞を与えられましたよね。

数式というものを感性豊かに膨らませて、法則の美しさをそれこそ美しく表現している方法には、
なんだかこの日記でやってることにも通じて、興味深く思いました。


大学に入ってから、時々なんか小説書きたいなー、っていう、
余りにも見当はずれな自己実現を図ろうといいう想いがムクムクと湧き上がったりしますが、
なかなか無理くさい…やっぱり上手な書き方をする人はするもんだ。っていうかそれを生業にしているから、あたりまえでしょうが(^^;)


余談だけど、風が強くなって、
風流に外で読書にひたることと、寒さでやられてしまうのが天秤にかけられなくなったので、部屋に帰ったところ、
帰り着いてしばらくして猛烈な雷雨が外の景色を襲っていました。

文学青年を気取って、濡れそぼって風邪を引く自分を想像して、
あまりに情けなくて滑稽だと思いましたね(^^;)
よかったよかった


追記:数学の知識の薄さを露呈しました…正しくは「オイラーの“公式”」





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Last updated  April 3, 2005 06:40:33 PM
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