|
テーマ:F1ニュース・レース(2364)
カテゴリ:フォーミュラ1
F1日本GP決勝レース、トロロッソ・ホンダにとっては残念な結果となった。レース後、ホンダF1の田辺豊治(テクニカルディレクター)が日本の報道陣の前でスタート直前のグリッド上での“ドタバタ劇”を明かした。 ■スタート直前、グリッド上でのドタバタ劇・・・ F1日本GP決勝レースのスターティンググリッドに着くため、トロロッソ・ホンダの2台はフォーメーションラップをしてからグリッドに着いた。しかし、そのグリッド上でFIA(国際自動車連盟)から「やっぱり元に戻してほしい」と突然言われ、ホンダPUのセッティングを戻したという。それが「ドタバタ」したというものだ。グランドスタンドでそれを目撃していた観客の方もいたかもしれない。 本来は、F1のレギュレーションでは予選後から決勝レースまで一切のセッティング変更は禁じられている。しかし、ホンダは予選後「FIAにセッティング変更を申請」して「許可を得て変更していた」にも関わらず、グリッド上で「聞いていたことと違うから元のセッティングに戻してほしい」と言われ、ドタバタ劇が起こったということだ。 ■ホンダは何の変更をFIAに申請したのか? ホンダはフリー走行で十分な走行ができていなかったピエール・ガスリー車に搭載されている「PUの“ある”セッティング変更」をFIAに申請していたのだ。 当然のことながらFIAの最初の回答は「ノー」だった。しかし、ホンダは諦めずにどうしたらいいのかとFIAに相談をした結果、2度目の申請で「許可」をもらったのだ。 そしてFIAは日曜日の13時5分に公式文書を発行し正式に「許可」をしていた。これはレース開始の1時間前の出来事だ。 FIAが公式文書で「許可」を出したのは、「ポスト・シフト・イグニッション・リタード・セッティングス(Post shift ignition retard settings)」というもので、日本語で言うと「シフトチェンジ後の点火時期を遅らせる量のデータ」の変更ということだ。これはパフォーマンス向上のためのセッティング変更ではなく、故障する可能性を無くすためのセッティング変更だった。複雑なPUだが、このセッティングを変えると、オシレーションを抑えることになるという。 オシレーションとはギアボックスや車体のパーツ類との共振だ。F1マシンは色々なパーツがそれぞれ動いていて、それぞれが振動を発生している。そしてコースのデコボコや縁石に乗ると外部からの振動も加わる。内部の振動に外部からの振動が同期してさらに大きく振動してしまうことをオシレーションという。 ホンダはギアボックスの振動の波形やコースからの振動の波形を解析し、PUの点火時期などを調整しているということだが、何パターンものデータを用意しており、最も最適だと判断した1つのデータを投入している。 ■公式には「許可」されたまま F1日本GP予選後、イギリスの本拠地ミルトンキーンズ、栃木県のさくら研究所、そして鈴鹿の現場が連携し、データを解析して最適な解を出していた。それをFIAに説明した結果「データのセッティング変更を許可」してもらったのだ。 日曜日、ピットを出てスターティンググリッドに向かうピエール・ガスリー車では、その「変更後のデータ」で問題ないことをホンダも確認していた。 結果的に、グリッド上で元のデータに戻してレースはスタートした。今回、もし「データを戻さなかったとしてもパフォーマンスへの影響はなく、レース結果に変化はなかっただろう。総合力が足りなかっただけ」だという。 しかし、FIAはなぜ公式文書で「許可」したものを、スタート直前のグリッド上で「やっぱり戻してほしい」と言ったのかは現時点でははっきりしていない。ある程度予測はできるようだが、レース直前での「許可の取り消し」についてホンダは今後のためにもFIAと話しをしたいと考えているようだ。 そしてレースが終わって5時間が経過した今も「トロロッソ・ホンダのセッティング変更の許可を取り消す」、つまり予選直後のセッティングのままにせよ、という取り消しの公式文書は出されていない。
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018.10.08 19:46:40
コメント(0) | コメントを書く
[フォーミュラ1] カテゴリの最新記事
|