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2006.07.22
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今日は、ヘミングウェイの秘密と鉛筆です。



     このことは誰も知らないか分かっておらず、
     誰にもこの秘密について話したことはない。
     その秘密とは、「詩を散文にする」ことであり、
     それこそもっとも難しいことなのだ。

           メアリー・ウェルシュ・ヘミングウェイ『かつてのこと』


ヘミングウェイは創作の秘密を、妻・メアリーにこっそりと伝えていたが、
メアリーはヘミングウェイの存命中に明かしませんでした。


1961年7月2日、ヘミングウェイは散弾銃で自殺。享年61歳。
死後15年を経た1976年、メアリーは『かつてのこと』を出版、
その創作の秘密が初めて明らかになりました。


しかし、ヘミングウェイの小説を読めばだれもが気づくでしょう。
風景も人物も出来事も、すべて叙情的表現を排除し、
虚飾を削ぎ落とした単純・端的な言葉で表現されていることに。


叙事的かつ即物的な描写に徹してますが、
内的な自我や意識を詩的な言葉で表現しているのです。


この「詩を散文にする」という手法は、
乾いた簡潔な文体に詩的な言葉をはめ込んだ
ジグソーパズルのようなもの。


     もうひとつの秘密がある。ここには象徴なんかないんだ。
     海は海、老人は老人、少年は少年、鮫は鮫で、
     これ以上によくも悪くもない。
     みんなが言っている象徴なんて糞みたいなものだ。


『老人と海』を発表した時、批評家たちは「象徴論」を展開しましたが、
ヘミングウェイはそれを批判し、拒否しました。


「象徴論」の是非はともかく、ヘミングウェイの意識が凝縮され、
やがて象徴やイメージとなって、その感動は読者に伝わっていったのです。


     2Bの鉛筆を1日7本丸くできれば、
     その日は調子がいい日だ。
                       プリンプトン「インタビュー」


1954年、ジョージ・プリンプトンはマドリードに滞在中の
ヘミングウェイを訪問、インタビューを行ないました。


「仕事の前に20本の鉛筆を削るのは本当ですか?」
という質問に対する答えがこれ。


ヘミングウェイは、まず草稿は鉛筆で書き、推敲に推敲を重ね、
最後にタイプライターを使うのが習慣だったらしい。


タイプライターを打つ時は、カーボン紙を敷き、必ずコピーをとった。
万年筆は、主に手紙に使ったといわれています。


ヘミングウェイがいつも肌身離さず持っていたもの、
それは2本の鉛筆と小さなノートでした。


     アフリカにまた帰ってきたい。でもそれは生計を立てるためではない。
     そのためなら2本の鉛筆と一番安い紙が数百枚あればことたりる。


                  *『ヘミングウェイの言葉』(今村楯夫)

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Last updated  2006.07.22 14:10:28
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