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カテゴリ:サンレモの歌手たち
★トニー・クッキアーラ (vm) Tony Cucchiara
本名サルヴァトーレ・クッキアーラ (Salvatore Cucchiara) 1937年10月30日シチリア島西部の小都市アグリジェント(Agrigento)生、自作自演歌手、プロデューサー、俳優。 一時期歌手で妻のネリー・フィオラモンティ(Nelly Fioramonti)とデュエット、トニー&ネリー (TONY & NELLY)を結成し、活動をしていました。 Sp・A-5558 所属レコード会社:Vis Radio, Sprint, Durium, Joker, Odeon, CBS, Durium サンレモ音楽祭出場1回:1972年参加 1955 年サルヴァトーレは大学に行ったものの音楽を諦めきれず、いくつかの学生演じるショーに参加し、56年に地元のラジオからデビューしました。翌年TVのヴァラエティー番組にも出演しています。 新人コンクールで優勝し、クラウディオ・ビルラも在籍したりグロリア・クリスティアンなど人気ナポリターナ歌手を擁したヴィス・ラディオ(Vis Radio)と契約して58年頃からレコードを出し始めます。 この頃の彼の資料は限られており、最初に出てくるのは58年フレッド・ブスカリオーネのヒット曲“ブオナセラ”と57年サンレモ音楽祭参加曲“ある微笑み”がカップリングされたシングル盤で、2枚目はB面が“ある微笑み”の英語版に差替えられたものでした。 彼の歌は人気歌手のヒット曲やサンレモ音楽祭の曲をカヴァーしたもので、多分オリジナル曲を出してもらえる歌手でなかったと思われます。彼の盤も売れなかったようで、残る画像はほとんどありません。 ビニール盤に変わった頃レコードは贅沢品で、しかも人気歌手のヒット盤は高く、お金のない庶民は新人のカヴァーした安い盤を買っていました。 Vi・MQN-36269 (1958年 Vis Radio - Vis Radio) Buonasera (Signorina) (ブオナセラ)/Un Certo Sorriso (ある微笑み) Vi・MQN-36270 (1958年 Vis Radio - Vis Radio) Buonasera (Signorina) (ブオナセラ)/A Certain Smile (Un Certo Sorriso [E](ある微笑み [英])) Vi・MQN-36315 (1959年 Vis Radio - Vis Radio) Volevo Un Tango/Gioca A Flipper (La Mia Ragazza) Vi・MQN-36316 (1959年 Vis Radio - Vis Radio) Buonasera (Signorina) (ブオナセラ)/M'Addormento Con Te Vi・MQN- 6336 (1959年 Vis Radio - Vis Radio) Conoscerti (君知るしあわせ)/Tua (あなた) Vi・MQN-36342 (1959年 Vis Radio - Vis Radio) Una Marcia In Fa (ヘ調の行進曲)/Lì Per Lì (リ・ペル・リ) トニー・クッキアーラ/マリア・マリス(Maria Paris) Vi・MQN-36385 (1959年 Vis Radio - Vis Radio) Oh Lola!/Non È Un Giorno Qualunque Vi・MQN-36416 (1959年 Vis Radio - Vis Radio) Nun Tremmà/Suonne, Suspire E Lacrime Vi・MQN-36504 (1959年 Vis Radio - Vis Radio) Avviene/Guardami Vi・MQN-36513 (1959年 Vis Radio - Vis Radio) I Sing "Ammore" (愛を唄わん)/Amorevole (アモレヴォレ) Vi・MQN-36559 (1960年 Vis Radio - Vis Radio) Invoco Te (君に願う)/Non Sei Felice (不幸なあなた) Vi・MQN-36560 (1960年 Vis Radio - Vis Radio) Noi (二人よ永遠に)/Notte Mia (私の夜) トニー・クッキアーラ/グロリア・クリスティアン(Gloria Christian) Vi・MQN-36565 (1960年 Vis Radio - Vis Radio) Quando Ascolto Nat King Cole/Non Potrò Scordar...(Quest'Estate) Vi・MQN-36565 Vi・MQN-36590) (1960年 Vis Radio - Vis Radio) Morgen (モルゲン)/Il Mio Domani (私の明日) 記録に残る中でヴィス・ラディオ最後の盤は何とかレーベルの画像が見つかりました。これも日本でもドイツでヒットした“モルゲン”のカヴァー盤です。 60年RAIと契約が出来、TV番組のプロデューサーになる1才年上のピッポ・バウド(Pippo Baudo)と知合い、共同生活をしています。 またピエロ・ウミリアーニ(Piero Umiliani)やピッポ・バルジッツァ(Pippo Barzizza)の楽団と仕事ができるようになり、61年ヴィス・ラディオからスプリントに移籍します。 日本ではトランペッターのニニ・ロ(Nini Rosso)のいるレーベルトして知られています。スプリントは元々ナポリで設立された映画製作会社ティタヌス(Titanus)が作ったレコード会社ティタヌスで、提携していたドゥリウムが61年に吸収してスプリントとして出発したところでした。 移籍第一弾の“La Panchina Più Lunga Del Mondo”は彼が初めてのオリジナル曲ではなかったかと思っています。内容不明。 Sp・A-5032 (1961年 Sprint – Durium) La Panchina Più Lunga Del Mondo/Asciugati Gli Occhi Sp・A-5032 Sp・A-5035 Sp・A-5035 (1961年 Sprint – Durium) Nenia Twist/L'Amuri 移籍第2弾は彼の故郷シチリアを題材とした歌でしたが成功と言い難い状況でした。3枚目はプランコ・ピサーノが作ったTV番組の主題歌“Annalisa”で好評でした。B面はクッキアーラとピサーノの曲で、僅かですが歌手としての達成感を味わうことが出来ました。 Sp・A-5502 (1962年9月 Sprint – Durium) Annalisa/Serenata In Swing Sp・A-5502 Sp・A-5507 Sp・A-5507 (1963年 Sprint – Durium) Vicolo dell'amore, 43 (愛の列車)/Cantu d'amuri [A面はニニ・ロッソ(Nini Rosso)] dal film "L'amore difficile" スプリントは映画製作会社ティタヌスの子会社だったこともあり、映画関係の仕事がはいってきます。当時既にニニ・ロッソは年間ヒット・ランクに入るスターでしかも映画の挿入曲、確実に売れるレコードでした。そのB面に入れてもらったのは幸運でした。(ジャケットはカトリーヌ・スパーク) 次も映画音楽で “La smania addosso”はカルロ・ルスティケッリ(Carlo Rustichelli)の曲、B面はスプリント2枚目のシングルに収められた彼の自作でシチリアを歌った曲“L'Amuri”。 Sp・A-5508 (1963年 Sprint – Durium) La smania addosso/ L'Amuri Sp・A-5508 Sp・A-5514 Sp・A-5514 (1963年Sprint – Durium) Ora/Baci salati 遂にクッキアーラが作った“L'Amuri”が映画「Tutto il bello dell'uomo」で使われました。B面はクッキアーラとピエロ・ウミリアーニの作、映画音楽自体はウミリアーニです。 Sp・A-5520 (1964年 11月Sprint – Durium) L'Amuri Dal film "Tutto il bello dell'uomo" (Aldo Sinesio, 1963)/Una Ventata Di Fortuna Sp・A-5520 Sp・A-5522 Sp・A-5522 (1964年Sprint – DURIUM) ...Issima/Il Piccolo Cow-boy Sp・A-5535 (1964年Sprint – DURIUM) Il Bacio Urgente/Non Dimenticare Mai Sp・A-5535 Sp・A-5545 Sp・A-5545 (1964年Sprint – DURIUM) Sciatu Dal film " Bianco, Rosso, Giallo, Rosa"/Picciutteddi A面“Sciatu”はウミリアーニとの共作、B面は映画と関係のないクッキアーラ自作の曲です。 2曲とも彼の自作と思われます。初めてのアルバム「Sicilia Amore Mio」にも収録されます。 Sp・A-5547 (1964年Sprint – Durium) È Difficile/Vaiu Nni L'America Sp・A-5547 Sp・A-5548 Sp・A-5548 (1964年Sprint – Durium) Vitti 'Na Crozza (しゃれこうべの歌)/'Ntintiri 'Ntontari シチリア語の曲もほとんど自作ですが珍しく有名な民謡の“しゃれこうべの歌”を歌っています。両面共ファーストアルバムに収録されます。 65年に発売されたファーストアルバム「Sicilia Amore Mio」はタイトルからして故郷のシチリア語で歌われ、大半が自作と思われます。73年に廉価盤シリーズのチカラ(せみ)から再発売されました。 Spl・A-6003 (1965年 Sprint – Durium) Sicilia Amore BL-7021 (1973年 Cicala - Durium) Sicilia Amore Mio 1.L'Amuri 2.'Ntintiri 'Ntontari 3.Sciatu 4.Canto Della Vallata 5.La Me Vuoi 6.Lu Paisi Me 7.Vitti 'Na Carrozza (しゃれこうべの歌) 8.È Difficile 9.Picciutteddi 10.L'Occhi To 11.Vaiu Nni L'America 12.Nenia Spl・A-6003 BL-7021 65年春、両面自作で純粋にカンツォーネのシングル盤を出しています。一人前の歌手として扱われますが、音楽祭に出場をしたり年間ヒット・ランク100に入るヒット曲は出せていません。 Sp・A-5549 (1965年4月Sprint – Durium) Gioia Mia/Aiutami A Dimenticarti Sp・A-5549 Ld・A-7464 Ld・A-7464 (1966年Durium – Durium) Sarà Lunedì (MONDAY MORNING 月曜日の涙)/Quando L'Amore Muore [Tony & Nelly] 61、2年のサンレモ音楽祭に出場していたネリー・フィオラモンティ(Nelly Fioramonti)と結婚していたトニー・クッキアーラ(結婚時期不明 65年頃か?)は突然方向転換し、当時流行っていたアメリカン・フォーク・ソングのカヴァーする夫婦デュオ、トニー&ネリーを結成し歌い始めました。“月曜日の涙”は日本でもシングル盤が発売されました。 彼らはカナダのイアン&シルビア(IAN & SILVIA)辺りを目指していたのではないかと思います。デュオの2枚目はジョーン・バエズの“フォーチュン”をカヴァーしました。今までのトニー・クッキアーラより格段に高い注目を浴びました。 Ld・A-7483 (1966年Durium – Durium) Ma Sto Pagando (THERE BUT FOR FORTUNE フォーチュン)/ La Strada Che Porta A Te (I’M ON MY WAY, GREAT GOD) [Tony & Nelly] Ld・A-7483 Sp・A-5554 Sp・A-5554 (1966年4月Sprint – Durium) Se Vuoi Andare Vai (もし君が行くなら) 1966年夏のディスク入賞曲/Il Nostro Amore 人間勢いの載った時は何事も上手くいくようで、クッキアーラはソロ活動ではじめて大きな音楽祭、夏のディスク・フェスティヴァルに出場しました。毎年50数曲参加するのですが、“もし君が行くなら”が12曲選ばれる入賞を果たしました。 デュオはフォークばかりでなく、アメリカン・ポピュラーも歌いました。ミュージカル「掠奪された七人の花嫁(SEVEN BRIDES FOR SEVEN BROTHERS)」もシングル盤で出しています。 Ld・A-7508 (1966年Durium – Durium) La Strada Nel Sole (Lonsome polecat 寂しい山猫)/ Vieni (Come to my bedside my darlin’ここへおいで、恋人よ) [Tony & Nelly] Ld・A-7508 Sp・A-5558 (1966年Sprint – Durium) - È L'Amore/Amico Mio ※ジャケット画像は顔写真画像をご参照 クッキアーラはソロの場合はスプリントから、デュエットの場合はドゥリウム・レーベルから出しています。1966年はアルバムもデュエットのファーストアルバムとソロのセカンドアルバムを出し、多彩な年となりました。 国内盤は最終回に掲載します、トニー・クッキアーラ2は次回に続きます お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016.09.17 08:37:29
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