会社法成立! 起業の形が大きく変わる?!
昨日、参議院の本会議で、「会社法」が成立しました。現在の「商法」のうち、会社に関する部分と有限会社法、株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律などの法律を一本にまとめたものです。起業家に関係のあるところで言うと、・有限会社制度の廃止(株式会社への一本化)・「1円起業」恒久化(確認会社の廃止)といったところが大きなところでしょうか。「有限会社制度が廃止されるとどうなるの?」1.新しく有限会社を作ることはできません。 その代わりに、現行の有限会社と同じような「1人取締役」の 株式会社を作ることができるようになります(株式譲渡制限会 社のみ)。 もちろん、この場合は監査役を置くか置かないかも自由です。2.今までの有限会社は、どうなるの? 今までの有限会社は、「特例有限会社」として残ることもでき ますし、「株式会社」になることもできます。 最低資本金規制が廃止されるので、資本金300万円はそのま まで、たとえば「有限会社久我商店」から「株式会社久我商店」 へと移行することもできます。3.「株式会社」になるデメリットは? 株式会社になると、次の2点が大きなデメリットになる可能性 があります。 (1)役員の任期が法定されているので、ずっと同じ人が役員を 続ける場合でも役員変更登記が必要となる。 株式会社の役員は、取締役2年、監査役4年の任期が法律で 定められています。 そのため、役員構成に変更がない場合であっても、2年に1 度役員変更登記をしなければなりません(登録免許税込で5 ~10万円くらい)。 ただし、定款で定めることにより、最長10年までの任期延 長もできます(株式譲渡制限会社のみ)。 (2)決算公告義務がある。 実は、現行商法でも同じ規定がありますが、非公開会社の場 合、ほとんどされてこなかったのが実態です。 ただし、電子公告(ホームページでの公告)が認められるよ うになったので、徐々に公告をする方向で変わっていくかも しれません。「最低資本金規制がなくなるとどうなるの?」1.いつでも、だれでも「1円起業」をすることができるようにな ります。 現行の「中小企業新事業促進法」による「確認会社」では、 「1円起業」は、「創業者」(事業を営んでいない個人)に限 定されていますが、「会社法」では、いつでも、誰でも「1円 会社」を作ることができるようになります。 もっとも、「1円会社」では、会社名義のボールペン一本買え ませんが。。。(笑)2.現在の「確認会社」はどうなるの? ここが一番やっかいなところですが、「定款」に書かれている 「解散事由」は、「会社法」の施行後も、そのまま残ってしま うのです。 定款には、たいてい、こんな風に書いてありますよね。 第○条 当会社は、商法第404条各号に掲げる事由のほか、 中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律第3条 の19第1項の規定により、次に掲げる事由により解 散する。 一 資本の額を1000万円以上とする変更の登記又は有 限会社、合名会社若しくは合資会社に組織を変更した 場合にすべき登記の申請をしないで設立の日から5年 を経過したこと 二 中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律第3条 の3の規定により同法第3条の2第1項の確認を取り 消されたこと 普通は、法律上の根拠となる規定が廃止されると、この手の規 定も自動的に無効となるはずなのですが、ここだけは残ってし まうようです。 そのために、こんな手続が用意されています。 (参考)会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律 第448条 この法律の施行の際現に損する前条の規定による改正前の中小 企業の新たな事業活動の促進に関する法律第3条の19第1項 各号又は同条第2項各号に掲げる事由により解散する旨の定款 の定めについては、会社法第466条の規定にかかわらず、取 締役会設置会社にあっては取締役会の決議、取締役会設置会社 でない会社にあっては取締役の過半数の決定により、その定め を廃止する定款の変更をすることができる。 通常、定款変更は、株主総会の特別決議が必要ですが、この定 款規定の廃止に関しては、取締役会の決議(又は取締役の決定) でよい、ということですね。 なお、この定款の規定については、登記事項となっていますが、 職権で抹消されるはず(?)です。。たぶん。。。来年以降は、会社を作りやすくはなりそうですが、すでに会社を持っている方は(特に有限会社)、「会社のあり方」について、今からじっくりと検討しておいた方がいいかもしれませんね。>>そんなあなたを、起業家はげまし隊がサポートします。<< 起業家はげまし隊のホームページをご覧下さい。